国内長期金利が明確に1.0%の分水嶺を超えて来たため・・・

優利加さん
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先週金曜日の米国株式相場は小幅上昇した(DJIA +4.33 @39,069.59, NASDAQ +184.76 @16,920.79, S&P500 +36.88 @5,304.72)。ドル円為替レートは156円台後半の前日比高安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄数が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,072に対して、下落銘柄数が521となった。騰落レシオは107.74%。東証プライムの売買代金は3兆3847億円。

TOPIX +24 @2,766
日経平均 +254円 @38,900円

米国では、10年債利回りは23日に一時4.498%まで上昇したが、前日の4.47%から4.46%へ低下した。5月ミシガン大学1年先インフレ率確定値が前月分の3.5%から3.3%に低下したことが背景にある。27日はメモリアルデーで休場となる。

米国市場でのハイテク株が上昇してフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が過去最高の水準となり、本日の東京市場でも半導体関連銘柄を中心に買われた。他方、長期金利(=新発10年物国債の利回り)が1.025%へ上昇した。これは2012年4月以来、約12年ぶりの高水準となった。日銀の内田真一副総裁は「デフレとゼロ金利制約との戦いの終焉は視野に入った」と講演で述べ、日銀が早期に金融政策を正常化に持っていきたいとの意思表示が示された。

一般論として、長期金利上昇は株式相場全体にとって歓迎すべきことではないが、景気が回復する過程で上昇するのか、或るいはただ単にインフレが加速するために金利が上昇するのかではその意味と株価に対する影響が異なる。今までのところ、長期金利がじり高となる流れでは、保険会社や三菱FJなどの銀行株が上昇するのは株価の原理原則通りである。

海運大手は、スエズ運河(テロ攻撃)とパナマ運河(水位の低下)の通航が困難になる中、アフリカ大陸や南米を迂回するため海上運航日数が伸び、コンテナ船運賃の高止まりが長引くことにより収益拡大が見込まれている。これに加えて、日本郵船の曽我貴也社長が「追加還元余地はある」と発言したことで、株主還元策への期待が他の海運大手にも拡大し、日本郵船、商船三井、川崎汽船大きく上昇した。

米長期金利が低下して、反対に国内長期金利が上昇したため、外為市場では円高・ドル安方向へ振れた。

日経平均の日足チャートを見ると、上向きの10日移動平均線の上に再浮上し、且つ、25日移動平均線の傾きが上向きに転じた。しかし、まだ上昇チャネルの下側の層半分くらいのところでの動きである。

33業種中31業種が上げた。上昇率トップ5は、保険(1位)、海運(2位)、非鉄金属(3位)、電気・ガス(4位)、石油・石炭(5位)となった。

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