優利加さんのブログ

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相場を動かすのは過去ではなく未来の出来事とその解釈及び期待!

先週金曜日の米国株相場は高安まちまちとなった(DJIA +125.08 @39,512.84, NASDAQ -5.40 @16,340.87, S&P500 8.60 @5,222.68)。ドル円為替レートは155円台後半での前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は高安まちまちとなった。東証プライムでは、上昇銘柄数が808に対して、下落銘柄数は807となった。騰落レシオは108.09%。東証プライムの売買代金は4兆6093億円。

TOPIX -4 @2,724
日経平均 -50円 @38,179円

米国では、5月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値が予想を大きく下回った(67.4<予想76.0)。これにより、米連邦準備制度理事会(FRB)がより利下げしやすい環境になったとして、利下げ期待が高まった。しかし、1年先・5年先期待インフレ率速報値が共に4月分から上昇したため(1年先3.5%>前月3.2%)、インフレはかなり長引くとの見方も強く、株価にとってはプラスマイナスほぼゼロの効果だったと言える。ただ、ダウ工業株30種平均は8日続伸した。

本日の東京市場では、日銀が定例の国債買いオペで長期債の購入額を減らしたため(4250億円、前回4月24日から500億円減額)、日銀が金融政策の正常化を早めるのではないかとの思惑から国内長期金利(=10年債利回り)が0.904%へ上昇した。これにより、多くの銘柄は下げて、日経平均は一時下げ幅を260円ほどに拡大した。金利上昇が不利に働く不動産株(三井不動産や三菱地所など)は下げる一方、業績見通しが良い銘柄と金利上昇で恩恵を受ける銘柄(三菱UFJや三井住友FGなど)は堅調だった。3月22日以降本日までの日経平均の動きと三菱UFJの株価の軌跡の違いを見てどう感じるだろうか?株価の原理原則を理解している人にとってはこの両者の異なる軌跡は当然と思うはずだが。6月の金融政策決定会合ではもっと踏み込んだ決定がされるのではないかとマーケットは警戒している。金融政策の正常化はもはや既定路線であり、唯一の問題はどれだけ早いか遅いかということだけである。東京エレクトロンをはじめとする主力半導銘柄は少し前まで上げすぎた反動もあり、決算内容が市場予想に僅かに届かないだけでも売りに押されている。SCREENホールディングもアドバンテストも決算発表の翌日に大きく売られた。

外為市場では1ドル=155円後半でじりじりと円安・ドル高の方向へ動いているように見える。政府・日銀による2回の覆面介入があったと見られ、2回目の介入があったと推定される日の1ドル=157円台まで円安・ドル高が進むと介入への警戒感が高まるだろう。5月15日に発表される消費者物価指数(CPI)の結果次第で、外為相場も株価も大きく動くはずだ。

日経平均の日足チャートを見ると、小幅安で終えた。ローソク足は長めの下ひげと短い上ひげを引いた寄引同事線となり、明確な下げ渋りを見せた。ただ、25日移動平均線は明確に下向きであり、10日移動平均線は上向きではあるが株価はその下に沈み込んでいる。

最終的にどちらの力が強いかは判明するが、神以外には事前には分からない。未来の株価を動かすのは今日既に分かっている事象ではなく、明日以降にならないと誰にも分からない神羅万象の出来事であり、未来の出来事とその解釈と期待だからである。我々人間ができるのは、今日現在までに判明していることのみを根拠として、自分なりに何等かの視点に立って上下どちらへ動くか予想(想像)することだけである。当然、その予想通りの展開となっても、それは「神の目」を通して未来を見ていた訳ではなく、たまたま「当たった」だけに過ぎない。私も局面によっては(株価サイクル3)かなりの確信を持ってこれから上昇すると判断する銘柄が出てくるが(結果的には当たっていることが多い)、自分が神ではなく普通の人間であることを自覚しているので、全資金を投入することはなく、1銘柄当たりではかなり自制してポジションをを持ち、予想が外れても(ざっくりと50%の確率)、かすり傷程度ですむように建玉操作に神経を集中している。また、上昇トレンドを描いて半年ほど上げ相場が続く場合でも、日足レベルで見ると前日比で下げる日も珍しくない。つまり、日足レベルではかなりランダムに動く。株価の原理原則をしっかり理解していないとそのような「雑音」で振り落とされるので最後まで踏ん張れない。

33業種中18業種が下げた。下落率トップ5は、不動産(1位)、建設(2位)、水産・農林(3位)、金属製品(4位)、輸送用機器(5位)となった。


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