4月の「外国人投資家の買い越し」というアナマリーは・・・

優利加さん
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先週金曜日の米国株式相場は上げた(DJIA +307.06 @38,904.04, NASDAQ +199.44 @16,248.52, S&P500 +57.13 @5,204.34)。ドル円為替レートは151円台後半の先週末比円安・ドル高水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,226に対して、下落銘柄数は383となった。騰落レシオは122.35%。東証プライムの売買代金は4兆633億円。

TOPIX +26 @2,728
日経平均 +355円 @39,347円

米国では、米3月雇用統計で非農業部門雇用者数(NFP)が30.3万人増(>予想20.0万人)と予想を遥かに上回った。失業率も3.8%(<前月3.90%)と強い結果となった。唯一の「救い」は平均賃金は前月比0.3%増、前年比4.1%増だったが、これは予想通りだった。労働参加率が上昇したため、雇用者数が増加しても労働需給が引き締まらなかったことが背景にある。それでも、強い米経済がまた裏付けられて、米10年債利回りが前日の4.30%から4.40%へ上げた。いつものパターンならこれを受けて米国株は下落するところだが、今回は、前日までの4日間でダウ工業株30種平均は1,200ドルほど大きく下げていたため自律反発狙いの買いが入り、さらにハードランディング懸念が後退したことや企業業績の拡大期待の方が勝り、株価は上昇して引けた。

本日の東京市場では、米国株の反発を受けて幅広い銘柄が買われた。また、米長期金利が上げたことを背景にドルが買われて、円相場が1ドル=151円台後半の円安・ドル高方向へ動いたため輸出関連銘柄が買われた。日経平均の上げ幅は一時600円を超えたが、買いが一巡すると伸び悩んだ。10日発表の米消費者物価指数(CPI)の結果が気になるからだ。イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ南部から地上部隊の多くを撤退させたと報じられると原油先物が下げに転じ、リスク回避姿勢が後退した。

なかなか縮小しない日米金利差によりドル買い・円売り需要が高水準で推移している。ただ、世界の外為市場の売買高の内、約9割は短期間で儲けるための投機目的が占める。買い切りや売り切りの貿易取引やM&A、対外直接投資(FDI)とは異なり、投機筋は比較的短期間のうちに反対売買をして利益確定をする。積み上がっているドル買い・円売りポジションはどこかで必ず反対売買が起こり、逆回転が始まるので警戒しておく必要がある。その動きが明確になるのは、おそらく米国が利下げを開始する時だろう。6月以降12月までにあるはずだ。

日経平均の日足チャートを見ると、反発したが上下にひげを引き「十字線」となった。まだ25日移動平均線の下にあるので、ちょっとした売り材料でも下に振れやすい。4月の「外国人投資家の買い越し」というアナマリーが今年も繰り返されるかどうか注目しよう。

33業種中31業種が上げた。上昇率トップ5は、輸送用機器(1位)、証券(2位)、石油・石炭(3位)、その他金融(4位)、銀行(5位)となった。

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