日本市場独自の季節的な売り需要は早晩尽きる

優利加さん
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先週金曜日は米国株式市場は休場だったため海外発の株価材料は不足した。ドル円為替レートは151円台前半での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が287に対して、下落銘柄数は1,331となった。騰落レシオは115.50%。東証プライムの売買代金は4兆6442億円。

TOPIX -47 @2,721
日経平均 -566円 @39,803円

本日の東京市場では、円安・ドル高基調と中国経済の回復期待を背景に買い先行で上げて始まった。日経平均の上げ幅は一時300円を超えたが、その後大きく下げて下げ幅は一時600円を超えた。日銀が今朝発表した日銀短観では、大企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は4期ぶりに悪化したが、製造業の悪化は既に織り込み済みであり、むしろ設備投資が好調なことから、特段の悪材料とは見なされなかった。

本日の下げの最大の要因は、機関投資家によるリバランス目的の売り(アッセット・アロケーションの調整)に伴う売りと、新年度に入ったので益出し目的の売りも加わり、売り需要が急に大きくなったため株価は大きく下げた。例年、4月の第1週は国内金融機関が運用資金確保のため、期初に益出し目的で株を売るため株価は下げる傾向がある。今年は、デンソーが豊田自動織機株を全株売却すると発表したことがその売りに拍車をかけた。デンソーは豊田自動織機の9.1%(2,964万株)を保有する大株主なので、向こう2年半かけて9回に分けて全保有株を売る。また、先週末は米国株式市場が聖金曜日の祝日のため休場だったことで海外投資家の参加が限られたことも本日の下げ要因の一つと考えられる。

本日の下げは日本市場固有の需給要因が主な理由と考えられる。このようなことは長期目線の海外投資家にとってはノイズに過ぎない。日本企業のガバナンス改革が進展しているため海外投資家の資金流入は続くと見られる。そうは言っても、短期的には高値警戒感は漂っている。日経平均は1~3月で6,905円(20.63%)も上昇して史上最高値を更新した。東証合計の空売り比率は3月29日現在で46.68%まで上昇していた。今週、まだ下げるとすれば、おそらく絶好の買い場になるのではないだろうか。日本市場独自の季節的な売り需要は早晩尽きるからである。

日経平均の日足チャートを見ると、高く始まった後、長大陰線で急落して上向きの10日移動平均線を下抜けし、さらに下げて上向きの25日移動平均線に接するところまで下げ幅を拡大した。見立て通り、今回の急落が押し目なら25日移動平均線前後で下げ止まり、1週間以内にまた上昇軌道に戻るはずである。今年3月11日から3月18日までの動きが直近の前例である。

33業種中ゴム製品を除く32業種が下げた。下落率トップ5は、石油・石炭(1位)、証券(2位)、その他金融(3位)、輸送用機器(4位)、銀行(5位)となった。

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