木下 晃伸さんのブログ

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【投資脳のつくり方】08年成績、投信運用40%マイナス

■いつもお読みいただき、ありがとうございます。

経済アナリスト、木下晃伸(きのしたてるのぶ)です。

■本日はクリスマス・イブですね。

どことなく不況感の漂う日ですが・・・

ニュースが閑散としてきましたが、本日は投資の姿勢や考え方という事で述
べてみました。

本日もどうぞよろしくお願いいたします。

┏━ 【経済アナリストが斬る!投資に役立つ3大ニュース】 ━━━━━┓

1.【日本】08年成績、投信運用40%マイナス

2.【米国】事後のバブル対策は限界

3.【日本】今年の売れ筋ビジネス書キーワードは自己啓発

>>http://www.terunobu-kinoshita.com/20081224-toushinou.pdf


1.【日本】08年成績、投信運用40%マイナス

(出所)2008年12月24日付日本経済新聞朝刊5面より

 ●投資信託の運用利回りは近年稀に見る悪化傾向
 ●長く投資の世界に携わると、何度かマイナスは経験する
 ●重要な点は、マイナスを出来る限り小さくすること

主な投資信託の2008年の運用成績を調べたところ、資産価値を示す基準価格
が平均で40.7%下落した。調査会社のQUICK・QBRが、純資産残高100
億円以上の追加型公募株式投信を対象に、07年末から08年12月18日までの基準
価格の変化を調べた。基準価格が昨年末に比べて上がったのは調査対象の
434本中わずか11本で、ほとんどの投信がマイナス運用となった。

運用成績でトップになった「日本スーパーベア5」(野村アセットマネジメ
ント)は、日経平均が値下がりすると逆に基準価格が上昇する仕組みで、44
%の上昇になった。国債など債券に投資するタイプが堅調で、上位10本中9本
を占めた。

そういう意味で、今年は、現金に近い金融商品でなければ勝利することは難
しかったことになる。株式投資にチャレンジした投資家は軒並み損失計上を
余儀なくされているはず。

ただし、重要なことは、長い年月運用をしているとこういう年もあるという
こと。そのためには、苦しい時に下落率を“抑える”という発想が必要だ。
私が基準価額を算出しているゴールドリポート「木下晃伸をファンドマネジ
ャーに雇いませんか(ゴールドリポート)」は平均4割の下落に対しては、2
割の下落にとどめている。まったく褒められた成績ではない。しかし、今年
1年、特に年後半から学んだ事は来年を俯瞰する上で限りなく大きい。来年は
もちろんプラスを狙わなければ話にならない。実績としては、過去苦しんだ
後に大きなリターンが得られた。来年はその可能性がある。

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2.【米国】事後のバブル対策は限界

(出所)2008年12月24日付日本経済新聞朝刊19面より


 ●バブルが弾けた後の批評をどう投資に役立てるか
 ●学者の意見は参考にするものがある
 ●ただし、机上の空論は参考意見にとどめなければならない

いまさらこういったタイトルで意見を述べられても困る、というのが一投資
家として正直な感想だ。本日の日本経済新聞「経済教室」に掲載された寄稿
文のことだ。いま重要なのは起きてしまった現実にどう対処し、さらに、そ
の後の世界が株価も含めてどうなっていくのか、という部分。

最終的に結論を「国際通貨体制の再構築を通じて世界的なマネーの管理を積
極的に考えるとき」という抽象的な内容では、何かヒントを得ようとする読
者に対してリスクを回避しているように思えてならない。

また、文中に「バブルの予防的コントロールをめざす方が、FRB流の事後的対
応より優れている可能性が高い。(中略)日銀をはじめ中央銀行は、物価や
景気の動向を判断する指標として株価や住宅価格のような資産価格の動向に
大きな注意を払うというメッセージをもっと強く発信すべきだ」とある。

すでに、グリーンスパン前FRB議長は1990年代半ばにメッセージを強く発信し
ていたし、今回のサブプライムの事例にしても、同様だ。予防的コントロール
という言葉は、実際に投資に携わっている人間からすれば、空虚な言葉で
はないだろうか。

いま、投資家に求められているのは、こうした他人事の意見ではなく、実際
に起こっている当局の動きを信頼し、かつ、急変する世界市場の変化に事業
会社が対応している様を見て、次なる展開を愚直に予測していく姿勢しかない。
いまさら事前の予防が大事だ、マネーを管理だと言っていても始まらない。
学者の意見は大変貴重になるヒントの宝庫だ。だからこそ、参考にする
意見は自分なりの選択眼を持って取捨選択しなければならない。


3.【日本】今年の売れ筋ビジネス書キーワードは自己啓発

(出所)2008年12月24日付日経産業新聞18面より

 ●自己啓発書が今年売れた
 ●企業を調査、分析することそれ自体が自己啓発
 ●何千時間かけてきたことは一体何か

2008年に売れたビジネス書は読書法や勉強法など自己啓発に関する本が多数
を占めた。国際金融危機を機にした世界的な景気後退で、個人も仕事でより
スキルアップを求められたことが背景にあるようだ。しかし、上位に位置す
る書籍を見て驚いた。1冊を除いて、手に取っていなかったからだ。

手に取った1冊は、竹中平蔵氏が書かれた「竹中式マトリクス勉強法」(幻
冬舎)だった。私の尊敬すべき実務者の一人として、かねてより著作を買っ
ているため、その流れ、というわけだ。

私も振り返ると、塾を学生時代に立ち上げた時、そして、90年代後半、金融
恐慌に見舞われ自分自身がどこに向かうのか、不安でならなかった20代前半
に、自己啓発関係を読み漁った時期があった。

それがなぜ読まなくなったのか。答えは分かっている。それは、何千名にも
及ぶビジネスパーソンとの取材を通じたディスカッションがあるからだ。

取材の内容は、経済事象から自己啓発に至るまで多種多様だ。それを何千時
間と繰り返してきたことで、自己啓発書に書いてある内容は、どこかで見た
ことがある内容となっていることに気づいた。実際、自己啓発書を執筆して
いる人は、なんらかの分野で何千時間も自分自身を見つめ、追及してきた人
たちばかりだ。書籍を読むのと同時に、何千時間もかけられることを行って
いる、もしくは、つながる何かをしているかどうかが、苦しい今だからこそ
大事なのではないだろうか。


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■編集後記
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今年のクリスマスは、昨年とずいぶん様変わりしているように思います。

なんとなくイルミネーションが減っているな、と感じたり、、、

実は、自分がイルミネーションがあるところに行っていない、ということ
だったり、、、

通常通り過ぎるクリスマス・イブを、来年はどう振り返るのか、考えておき
たいと思います。


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