TOPIX +33 @2,661
日経平均 +837円 @39,099円
米国では、午後、米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録要旨が公開され、インフレ鎮静化に確証が持てるまで利下げを急がない姿勢が示された。これを受けて米株式相場は下げ始めたが、ダウ工業株30種平均はその後切り返して小幅高で終えた。また、引け後に決算発表を控えるエヌビディアが高値警戒感から3%弱下落したことも相場全体の重石となった。フィラデルフィア半導体株価指数(SOX)は0.24%安となり4日連続下落となった。
米株式市場が引けた後に米画像処理半導体(GPU)大手のエヌビディアが2023年11月~2024年1月期の決算発表をした。売上高は過去最高の前年同期比3.7倍の221億300万ドル、市場予想を大幅に(8%)上回る数字で過去最高を更新したことで、時間外取引でエヌビディアは急伸した。
本日の東京市場では、エヌビディアの予想以上の好決算発表と円高・ドル安へ振れた円相場により、東京エレクトロンやアドバンテスト、スクリーンなどの半導体銘柄が大幅高となっただけでなく、輸出関連銘柄も買われた。
日本株買いの主力は相変わらず外国人投資家である。彼らが日本株を買っている理由は、日本企業の収益力向上、PBR=1倍割れを改善しようとする流れ、資本効率を高めるべく政策保有銘柄・持ち合い株の売却と自社株買いの増加、ガバナンス(企業統治)の改善、日本経済が徐々にインフレに移行してきていること、中国市場から日本市場へ資金が移動していることなどである。しかし、一番大きな直接的な力は日経平均に対するウェイトが高い値がさ半導体銘柄が集中的に買われているからだろう。ただ、半導体関連銘柄のみがけん引する相場上昇は長く続かない。銀行や建設、総合商社などのバリュー株も一斉に上げて行くと循環物色が続き、息の長い上昇相場となる。目先は2月末に向けて年金基金等の売りが出てくるだろうが、3月末に向けて配当権利取り狙いの買いが増える。
日経平均の日足チャートを見ると、長大陽線で上昇して1989年12月29日に付けた高値を抜き去り、終値ベースで史上最高値を更新した。1989年のバブル経済時代と現在の大きな違いは楽観度を表す予想PERである。バブル期はPER=50~60倍が標準で将来に対して非常に楽観的であった。対照的に、現在はPER=16~17倍で将来について過度に楽観的にはなっていない。期待先行で上げてきたというよりも、収益力が高まったことが主な要因で株価が上げて来たということである。ということは株価がこの先、例え調整したとしても、日本株全体は大きな調整にはなりにくいということである。ただ、半導体銘柄は「お祭り」のような上げ方をしてきたので、調整する場合は深くなる可能性が高いが。しかし、トレーダーは基本的にそんな心配をしなくても良い。下げ始めたら一旦売れば良いだけのことである。
33業種中31業種が上げた。上昇率トップ5は、電気機器(1位)、輸送用機器(2位)、機械(3位)、石油・石炭(4位)、鉱業(5位)となった。