優利加さんのブログ

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日経平均、史上最高値更新まであと750円ほどだが・・・

昨日の米国株式相場は大きく反発した(DJIA  +151.52 @38,424.27, NASDAQ +203.55 @15,859.15, S&P500 +47.25 @5,000.62)。ドル円為替レートは150円台前半での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が505に対して、下落銘柄数は1,106となった。騰落レシオは93.79%。東証プラムの売買代金は5兆4919億円。

TOPIX +7 @2,592
日経平均 +455円 @38,158円

米国では、シカゴ連銀のグールズビー総裁がインフレ減速に楽観的であると示し、利下げ開始を遅らせるべきではないとの趣旨の発言を行ったこともあり、米10年債利回りが低下して相場の支えとなり、株価は前日大幅安となったことで押し目買いが入った。画像処理半導体のエヌビディアを中心に半導体銘柄やハイテク株が反発した。主要3株価指数は揃って反発した。

本日の東京市場では、前日の米国株式相場での半導体関連銘柄を中心としたハイテク株の反発を受け、東京エレクトロンやアドバンテストなどの主力半導体銘柄が急伸した。日経平均は終値ベースで38,000円台を回復し、1989年12月29日に付けた38,915円まで後750円ほどとなった。ただ、上昇銘柄数の約2倍の銘柄が下げた中での日経平均の上昇であり、決して日本株全体が力強く上げている訳でない。しかも、2023年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値は実質換算で前期比0.4%減となり、2四半期連続のマイナスである。それでも株価が上げたのは、経済が減速しているなら日銀は金融政策を正常化するのが難しくなり、その分だけ金融緩和政策が長く続くとの見立てからである。つまり、金融緩和頼みと言える。買われる銘柄が一極集中で偏った相場の上昇に警戒し始めたのか、一部の長期志向の海外投資家が日本株を売り始めている。長期投資で知られる英運用会社のベイリー・ギフォート、米キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント、米フィデリティ投信などが年初以来日本株を売り、残高を減らしていることが関東財務局に提出した大量保有報告書で確認できる。

米国長期金利が高止まりしているため独歩高となっており、円安・ドル安となっているだけでなく、特に新興国通貨安が鮮明となっている。日本人の感覚では自国通貨安は輸出が増えるので良いのではないかと考えがちだが、国際金融とはそう単純なものではない。輸出産業の基盤が日本やドイツのように強くない新興国は、自国通貨安となると輸入物価が上昇する、つまりインフレを引き起こすマイナスの方が大きい。さらに、外貨建てで資金調達している割合が大きく、自国通貨安は借入元本の実質的な増加となり返済がより困難となる。1980年代前半のラテンアメリカ諸国のデフォルトはこのように米国の長期金利高(背景には米国の高いインフレ率があった)と米ドル高・他通貨安の中で起った。したがって、自国通貨安を止めるために新興国の中央銀行は利上げを余儀なくされる。すると、景気を刺激したいので本来なら利下げしたいのに、通貨防衛のために利上げに追い込まれると経済をさらに悪化させるという悪循環に陥る。

日経平均の日足チャートを見ると、逆行して始まりさらに上げて短陽線で終えた。後750円ほど上げれば史上最高値更新となるが、上昇銘柄数の約2倍の数の銘柄が下げている中での日経平均の史上最高値への挑戦である。来週中には達成しそうな勢いである。

33業種中16業種が上げた。上昇率トップ5は、保険(1位)、機械(2位)、石油・石炭(3位)、ゴム製品(4位)、不動産(5位)となった。

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