TOPIX -27 @2,585
日経平均 -261円 @37,703円
米国では、1月米消費者物価指数(CPI)が予想よりも高かった(前年同月比+3.1>予想2.9%)ため米10年債利回りが上昇した(4.17%➡4.324%)。同時に、米連邦準備制度理事会(FRB)が年内に数回利下げするとの見通しが後退した。これを反映して、ダウ工業株30種平均もナスダックもS&P500も大きく反落した。株式マーケットが期待していた利下げは夏以降にずれ込みそうであり、その分だけ景気を下押しするのではないかと懸念された。
本日の東京市場では、米国株の大幅反落を受けて下げる銘柄が多かった。足元の上昇ピッチが速すぎたので利食い売りが優勢となったが、当然のスピード調整でもある。但し、アドバンストやスクリーンは逆行高となった。東京エレクトロンは一時、連日で上場来最高値を更新した。
生成人工知能(AI)向け半導体関連銘柄への買い需要は根強く、買われたが、その恩恵を最も受ける銘柄の一つであるアドバンストですら今期は減益予想であり、韓国のサムソン電子は半導体部門が大幅赤字で苦悶している。
現在の株価上昇は日銀の金融緩和政策に後押しされた一極集中の「半導体バブル」と言えるくらいのお祭り騒ぎである。TOPIX500を構成する銘柄の内、半導体関連10銘柄(ソニーグループ、東京エレクトロン、ソフトバンクグループを含む)の2022年末からの上昇率は約70%、その他490銘柄の上昇率は約30%である。また、外国人投資家による半導体関連セクターの買い越し額は2023年以降で1.8兆円で断トツで、2位の自動車・部品の1兆円に大差を付けている。但し、2024年に入ってからの動きはやや鈍くなってきた。半導体関連30銘柄の内、2023年は24銘柄が日経平均の上昇率(+28%)をアウトパフォームしていたが、2024年に入ると日経平均をアウトパフォームしているのは12銘柄に減少している。
米国の利下げは遠のくのに対して、日銀の金融緩和政策はマイナス金利解除後も緩和的な金融政策を継続させるという日銀のメッセージが主な原因で円相場は円安・ドル安方向へ振れており、それが株価を支えている。
日経平均の日足チャートを見ると、前日の長大陽線に対して株価は下げたが下げ渋りを見せ、十字線で終える「はらみ寄せ線」となった。しかし、先高観は依然として強く、すぐに上値を追そうな勢いを感じる。何としても史上最高値更新を達成したいとうのが現在の日本株相場参加者の総意だろう。しかし、一極集中の「半導体バブル」がけん引している相場であるため、目標達成後の反動に警戒したい。
33業種中28業種が下げた。下落率トップ5は、パルプ・紙(1位)、鉄鋼(2位)、不動産(3位)、保険(4位)、電気・ガス(5位)となった。