TOPIX +11 @2,494
日経平均 +527円 @35,377円
米国では、12月の米消費者物価指数(CPI)が予想以上に強い結果となった(前月比+0.3%、前年比+3.4%>予想+0.2%, +3.2%)。また、週間の米新規失業保険申請件数は市場予想を下回り、労働市場の底堅さを改めて示した。これにより早期の利下げ期待が後退して株が売られて主要3株価指数は揃ってザラバでは下落した。ダウ工業株30種平均は一時270ドル超下げた。しかし、米10年債利回りが低下に転じると、株価は切り返し始め、ダウ工業株30種平均とナスダックは終値では小幅高となった。ダウ工業株30種平均はザラバで史上最高値を更新した。また、画像処理半導体大手のエヌビディアは連日で上場来高値を更新した。
本日の東京市場では、米国株式市場で半導体関連銘柄の一角が買われた流れを受けて、さらにファーストリテイリングが大幅高となり日経平均が寄り付き直後に700円を超える上昇となった。ファーストリテイリングの1銘柄だけで、日経平均を約230円押し上げた。2023年9~11月の連結決算で純利益(国際会計基準)が前年同期比27%増の1,078億円と発表したことが理由である。日経平均は連日でバブル崩壊後の戻り高値を更新し、33年11カ月ぶりの高値となった。但し、前日までの4営業日だけで1,800円も上昇していたので高値警戒感は強かった。
本日算出された日経平均オプションの特別清算指数(SQ)はQUICKの試算で36,000円台だったが、実際の日経平均は一度も36,000円台には届かなかったため、いわゆる「幻のSQ」となった。SQ値は清算日の構成銘柄(日経平均の場合225銘柄)すべての始値を使って算出するため、一部の値嵩株(本日は中国事業が好調で好決算を発表したファーストリテイリング)が気配だけでどんどん高くなりなかなか寄り付かないとSQ値の算出がかなり遅れることになる。ところが、日経平均は9時15秒の時点の気配値を使って算出するため、SQ値と日経平均の始値が乖離することがある。また、オプションや先物のトレーダーはSQ算出日の始値を自分に有利な方向へ少しでも動かすために売り買いを仕掛ける「SQ値の勝負」をすることも珍しくなく、彼らの売買がかく乱要因となる。その結果、日経平均とSQ値が大きく乖離することがあり、それが今日起り「幻のSQ」となった。日経平均の始値とSQ値は何と424円もずれた。通常は50~150円くらい、最大でも200円くらい。日経平均がSQよりも低い場合、翌週以降は株価は下がり、反対に日経平均がSQよりも高い場合、翌週以降は株が上がる、というのが経験則である。
日経平均の日足チャートを見ると、4日連続で窓を空けて急騰して来たので、これで「四空踏み上げ」となった。25日移動平均線乖離率は6.6%まで拡大したので短期的には当面の上昇エネルギーをほぼ使い切るまで上げた可能性が高い。それは上放れて始まった後、売り買いが拮抗して「十字線」で終えたことにも表れている。さらにダメ押しとして、日経平均が取引時間中で一度もSQに届かない「幻のSQ」となった。2023年6月16日に約2カ月ほどの上昇トレンドの頂上で日経平均が33,772円を付けてバブル崩壊後の戻り高値を更新したとき、25日移動平均線乖離率は6.9%だった。
波乗り十八番銘柄のN株は本日全玉利食い手仕舞いしました。今日売らないで「いつ売るの?」というくらい売りサインが多重に表れましたからね。但し、予想を裏切る動きもあるので、常にそれに対しては「心と建玉の準備」ができています。
33業種中18業種が上げた。上昇率トップ5は、鉱業(1位)、その他製品(2位)、精密機器(3位)、サービス(4位)、卸売(5位)となった。