「ファンダメンタルズでは説明できないほど上昇した」とは?

優利加さん
優利加さん
昨日の米国株式相場は上昇した(DJIA +111.19 @37,656.52, NASDAQ +24.60 @15,099.18, S&P500 +6.83 @4,781.58)。ドル円為替レートは141円台前半の前日比円高・ドル安水準だった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,009に対して、下落銘柄数は592となった。騰落レシオは101.81%。東証プライムの売買代金は2兆6966億円。

TOPIX -3 @2,362
日経平均 -142円 @33,540円

米国では、来年の早期利下げ期待とそれを反映して米10年債利回りの低下(3.78%台)が引き続き株価支援材料となり株価は堅調な動きとなった。ダウ工業株30種平均は4日ぶりに史上最高値を更新した。ナスダックは年初来で44.26%も上昇した。

本日の東京市場では、米長期金利の低下により日米金利差が縮小したことで円高・ドル安が進み輸出関連銘柄を中心にが売りが優勢となった。さらに、12月末決算企業の配当権利落ちの影響(日経平均で約52円)もあり、株価指数のウェイトが高い銘柄で下げる銘柄が多かった。日経平均の下げ幅は一時270円まで拡大し、年末年始の休暇に入る投資家も多くなり薄商いとなった。日経平均は今年は年初から29%上昇したため、来年度は続伸したとしても上昇率はそれよりも下がる可能性が大きい。米連邦公開市場委員会(FRB)が市場の期待通り利下げに転換するとすれば株価の押し上げ要因となるが、2024年度にはこれまでの急速な金融引き締めの効果により米景気が減速するリスクが株価の頭を抑える。既に10月の米小売売上高が7カ月ぶりに前月比でマイナスに転じた。米国株は2023年度にファンダメンタルズでは説明できないほど上昇したと指摘するエコノミストもいる。もし、米景気減速と米株価の上げ過ぎの反動が重なると思いのほか早く下げる可能性を意識しておきたい。

「ファンダメンタルズで説明できないほど上昇した」とはどういう意味かを簡単に説明しておきます。株価は純利益が赤字の場合を除き、必ず「予想EPS」と「予想PER」の掛け算(P=EPSxPER)に分解できます。ファンダメンタルズで説明できるとは「予想EPS」の変化で説明出来るという意味です。ということは、「ファンダメンタルズで説明できないほど上昇した」とは予想PER(未来になればなるど利益が増加するという期待度)が過大に上昇したということを意味します。日本株も1980年代の終わり頃はどの銘柄も予想EPSでは説明できないほど上昇し、その頃は「予想PER=50倍」が普通でした。

日経平均の日足チャートを見ると、下げはしたが下ひげを引いた短陽線で終えたところから判断すると上に行こうとしていると読める。ただ、バブル崩壊後の高値更新は戻り待ちの売りをすべて買切る必要があるので、そう簡単ではないだろう。

33業種中22業種が下げた。下落率トップ5は、海運(1位)、鉱業(2位)、ゴム製品(3位)、食料品(4位)、不動産(5位)となった。

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