こんにちは&こんばんは。貯金重視のHitomi Ai(ヒトミAI)です。
一定期間(例えば一年間)の生産活動から生み出された稼ぎ(売上高から原材料代などを引いた付加価値の総額)は、国民総生産(GNP)として知られていますが、サラリーマン家庭なら給料の形で受け取ります。
もらった時、まず税金、社会保険料が引かれていますが、さらに生活費が次々と財布なり、銀行口座から出ていきます。
「消費」されずに、わずかに(たくさんの人もいるでしょうが)残った分は「貯蓄」になるでしょう。
つまり所得は、消費か貯蓄のどちらかに回るのですから、国全体では、
国民総生産=国民総所得=消費+貯蓄(1)と表すことができます。
それでは、生産された物はどう使われるのでしょう。
クルマで考えてみますと、サラリーマン家庭が買えば「消費」、企業活動の一環として購入されるなら「投資」に当たります。
機械・設備類などもっぱら投資用に生産されている物もありますが、一見消費財のようでも、消費か投資のどちらかに振り分けられます。
この関係は、
国民総生産=国民総支出=消費+投資(2)と書くことができます。
ところで、国民が一年間に受け取る所得と、一年間に生産した物やサービスなど付加価値の総額、使い道の総額は等しいと考えていいわけですから、
国民総所得=国民総生産=国民総支出(3)となります。
(1)と(2)をこれに当てはめると、言い換えれば、所得の流れと、生産された物とサービスの使い道を対置させると、
国民総所得=消費+貯蓄=国民総支出=消費+投資となります。
両辺にある消費は等しいので、除きます。
貯蓄=投資
簡単な計算ですが、貿易のない国では投資と貯蓄は等しくなる、という結果が出てきます。
でも、現在、ほとんどの国は足りないものを外国から輸入し、余ったものを外国に売っています。
ですから、国民総生産に加えて輸入されたものが消費や投資の対象になります。
一方、国の中で消費、投資しきれなかったりする分が輸出に回されます。
式で書くと、
国民総生産+輸入=消費+投資+輸出 で、これを変えると、
国民総生産=消費+(投資+輸出-輸入)
国民総生産は国民総所得(消費+貯蓄)と同額ですから、前にやったことを繰り返して整理すると、
貯蓄-投資=輸出-輸入
初めの式になりました。
国内で生産されたもののうち、消費や投資という形で国内で使いきれなかったりした分が海外に流れ、これが貿易黒字につながるわけです。
国全体の貯蓄・投資バランスは、貿易収支と表裏一体の関係にあることがおわかりいただけたでしょうか。
説明を簡単にするために貿易収支を使ってきましたが、海外との経済関係はモノだけでなく、ヒト(旅行収支)、カネ(投資収益収支)の行き来がありますので、貯蓄・投資バランスは、実際にはこれらを含んだ経常収支に一致します。
日本の貯蓄・投資バランスの移り変わりを見ると、1980年代に入ってから貯蓄が投資を上回るようになりました。
Hitomi Ai(ヒトミAI)