「TSMCショック」で半導体関連株は大幅下落

優利加さん
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昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +163.97 @35,225.18, NASDAQ -294.71 @14,063.31, S&P500 -30.85 @4,534.87)。ドル円為替レートは140円台前半の前日比円安・ドル高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄の方がやや多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が755に対して、下落銘柄数は988となった。騰落レシオは92.15%。東証プライムの売買代金は3兆1288億円。

TOPIX +1 @2,262
日経平均 -186円 @32,304円

米国株式相場は高安まちまちとなった。ダウ工業株30種平均は2017年以来となる9連騰を記録して昨年3月以来の戻り高値を更新した。他方、半導体受託生産大手の台湾積帯電路製造(TSMC)が業績見通しを下方修正した(23年4~6月期は4年ぶりの減収減益、7~9月期は市場予想未満、23年12月期通期も下方修正)ことでエヌビディアやアプライドマテリアルズなど米半導体銘柄も軒並み売られた。これによりナスダックも大幅安となり、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は大幅安(3.6%安)となった。ナスダックもS&P500も4日ぶりに反落した。TSMCは世界の半導体産業の「炭鉱のカナリア」という位置づけで、TSMCの業績見通し下方修正は「TSMCショック」とでも呼ぶべき半導体関連銘柄の下げを引き起こした。

本日の東京相場では、「TSMCショック」を嫌気して、東京エレクトロンやアドバンテスト、スクリーンなど値がさ半導体関連銘柄を中心に大幅安となった。日経平均の下げ幅は前場で一時400円を超えた。売りが一巡すると外為市場で円相場が前日比円安・ドル高となったことを材料に株価指数の買戻ししや売り方の買戻しが起り、下げ幅が縮小した。これからお盆休みに向けて市場参加者が少なくなっていき「夏枯れ相場」が起こりやすい季節となるため、「小さな悪材料」に反応した「少しの売り」でも相場が崩れやすくなる。

日経平均の日足チャートを見ると、既に昨日の時点でほぼ水平となった25日移動平均線に下へ弾き返され、本日は6月末から下向きに転じている10日移動平均線の下へ沈み込んだ。もはや7月3日のバブル崩壊後の戻り高値@33,762円を更新するのはかなり遠のいた。ダブルトップ形成後の下げ過程の最初の戻り相場にあると見るのがチャートリーディングの定石である。

33業種中20業種が上げた。上昇率トップ5は、鉱業(1位)、電気・ガス(2位)、パルプ・紙(3位)、医薬品(4位)、空運(5位)となった。

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