TOPIX -22 @2,255
日経平均 -385円 @32,388円
日本時間の今夜には世界が注目する6月の米雇用統計の発表を控えているが、6月の米ADP民間部門雇用者数が予想の2倍以上に増加した。6月の米ISM非製造業総合指数(PMI)も予想を上回る強さを示した。これにより、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げが長期化するとの懸念が高まり、政策金利に敏感な米2年債の利回りが前日の4.95%台から急上昇して一時は5.12%台となった。この水準は16年ぶりの高水準である。10年債利回りも前日の3.94%台から一時4.08%台へ上昇した。尚、短期金利の方が長期金利よりも高い「逆イールド」(景気後退の兆候として恐れられている)となっている。主要3株価指数は揃って2日続落した。
米国株の続落を受けて、本日の日本株全般も続落した。前場では、日経平均が400円超下げる場面があった。さらに、上場投信信託(ETF)の分配金拠出のための売りが引き続き警戒されて大引けに向けて相場の重石となった。
日米中央銀行の金融政策の違いから日米金利差は約5%に拡大している。アメリカの年金基金など機関投資家が日本株を買う時には為替リスクを負うことになる。それを避けるためにはどうすれば良いか。それは「直物」で「ドル売り・円買い」をして日本株を買い、同時に「先物」で「ドル買い・円売り」をして為替リスクとヘッジする(=為替スワップ)ことである。こうすると、年率換算で5%の金利収入に相当するスワップポイントが確実に稼げる。これに加えて、数%の配当利回りが入り、ほぼ確実に10%近い利回りとなる。これは実に美味しい話で、これが外国人の日本株買いの背景の一つである。その後、日本株がさらに上げると円建て評価額が増加して為替リスクヘッジ額が不足するので、先物予約で追加の円売り・ドル買いをする。すると外為市場では円安・ドル高がさらに進み、日本株が上げ易くなる。このような構図でも過去2カ月の日本株高が続いてきた。
日経平均の日足チャートを見ると、ダブルトップのネックラインとなる6月27日安値@32,306円に迫る32,327円まで下げて来た。しかも、長い上ひげを引いた短陰線「トンカチ」である。これは大引けに向けて上場投資信託(ETF)が分配金拠出のために大量の売りを出したためと考えられる。同じことは10の大引けでも繰り返されると予想されている。もし、ネックラインを大引けで割り込むと、テクニカル上、ダブルトップ形成が明確となる。ダブルトップ形成が完成すると、定石ではその後、下げが加速する。今回は根強い先高観があるので、踏み留まるかどうか。例え、日経平均という株価指数が下げても、上げる理由が明確な個別株(インバウンド銘柄や業績見通しが改善している銘柄)は多少は連れ安しても、大崩れはしないと考えられる。そのような銘柄は株価指数の下げが止まると真っ先に反発し始めると見ている。
33業種中、陸運と空運を除く31業種が下げた。下落率トップ5は、機械(1位)、不動産(2位)、輸送用機器(3位)、電気・ガス(4位)、電気機器(5位)となった。