海運株と銀行株の旬は過ぎつつある

優利加さん
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昨日の米国株式相場はまた反落した(DJIA -232.39 @32,656.70, NASDAQ -11.44 @11,455.54, S&P500 -12.09 @3,970.15)。ドル円為替レートは136円台前半での動きだった。米国株安にも拘わらず、本日の日本株全般は上げる銘柄の方が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,075に対して、下落銘柄数は672となった。騰落レシオは113.97%。東証プライムの売買代金は2兆7883億円。

TOPIX +5 @1,998
日経平均 + 71円 @27,517円

米国10年債利回り(=長期金利)が一時、昨年11月以来の4.0%近くまで上昇したため、米国株式相場は反落して主要3株価指数は揃って下げた。これを嫌気して、本日の日本株全般は下げて始まったが、中国の景気回復を示す経済指標(2月の製造業購買担当者景気指数PMI>50)が発表されると日本製鉄や安川電機などの中国関連銘柄を中心に買われて、相場全体も切り返し始め、日経平均は小幅高で終えた。

東証がPBR1倍割れの企業に是正を求めていることも意外に強いバリュー株の背景にある。他方、高配当を目当てに今まで上げて来た大手海運株は3月末の配当権利確定日が近づいていることが意識され、利益確定売りが優勢となり大きく下げた。コロナ禍により青天の霹靂のように急上昇していたコンテナ運賃が明らかに正常化しつつあるので、業績のピークは過ぎたと判断すべきだろう。来期以降は配当は下がると見ておくことが賢明である。そうなれば株価も下がるのが道理である。銀行株も旬を過ぎた感がある。日銀新総裁が金融緩和政策を修正して長期金利は上方向に放れると見ていて上げていたのに、植田氏は少なくとも当面は現状維持を続ける意向を示しているからだ。

日経平均の日足チャートを見ると、ギャップダウンして始まったがその後は切り返して陽線で終え、且つ、10日及び25日移動平均線の上に辛うじて再浮上した。しかし、2月6日の戻り高値@27,821円を明確に上抜け出来ない限り、常に戻り売り狙いの売り圧力に晒されるため、下に振れやすい。

33業種中19業種が上げた。上昇率トップ5は、鉱業(1位)、鉄鋼(2位)、非鉄金属(3位)、卸売り(4位)、石油・石炭(5位)となった。

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