木下 晃伸さんのブログ

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【投資脳のつくり方】中国人民銀行、今年4回目の利下げ

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■いつもお読みいただき、ありがとうございます。
経済アナリスト、木下晃伸(きのしたてるのぶ)です。

■インドで起こった同時テロ。
新興国株価がなぜ下落しているのか、物語っていると思います。

本当の意味で、格差問題が起こっている国の苦しみを
考えなければならないのではないでしょうか。

以下、コラムでお伝えしたいと思います。本日もよろしくお願いいたします。


※本資料の利用については、必ずプロフィール画面の
重要事項(ディスクレーマー)をお読みいただいた上、ご利用ください。

┏━ 【経済アナリストが斬る!投資に役立つ3大ニュース】 ━━━━━┓

1.中国人民銀行、今年4回目の利下げ
2.日銀総裁「ドルの基軸通貨、しばらくは続く」
3.インドで同時テロ

http://www.terunobu-kinoshita.com/20081127-toushinou.pdf

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1.中国人民銀行、今年4回目の利下げ

(出所)2008年11月27日付日本経済新聞朝刊1面より

 ●中国当局のスピードはかなり早い
 ●世界の当局と足並みが揃っている点は高い評価
 ●中国政府に対して信頼を持てるか

中国人民銀行(中央銀行)は26日、
貸出基準金利と預金基準金利を27日から引き下げると発表した。
利下げ幅は期間1年の貸出基準金利、預金基準金利ともに1.08%。
貸出基準金利の引き下げは前回の10月30日に続き今年4回目で、
6.66%から5.58%に下げる。
預金基準金利の引き下げは10月30日に続き今年3回目で、
3.60%から2.52%に下げる。
中国人民銀行は9月16日以降、0.27%の幅で貸出基準金利を引き下げてきたが、
今回の下げ幅は一気に4倍に拡大した。

中国政府は雇用維持に必要な成長率として「8%」を意識しており、
その死守に向けて政策手段を総動員する構え。
4兆元(約57兆円)にものぼる巨額の景気対策に加え、
利下げに対しても当局が意思決定するスピードが早い。
また規模も大きい。この効果は中国にとって大きい。

中国の経済は、道路や鉄道、建設等の固定資産投資がメイン。
さらに、来年には、中国農業銀行の株式会社化に伴い、
不良債権の圧縮が見込まれる。

世界経済は、各国政府の“大きな政府”の舵取りによって
いかようにもなろうとしている。
つまり、当局の動きに対して信頼を持たなければ投資をしてはいけない、
ということになる。
信頼しないのであれば現金か、もしくは、売り、という投資行動になる。

ただ、信頼したとしても、信頼していない人が売れば株は下がる。
投資家としては経済政策を信頼できるかどうかという予測を行ないつつ、
信頼しないだろう投資家の心理面をとらまえていくことが重要になってくる。


2.日銀総裁「ドルの基軸通貨、しばらくは続く」

(出所)2008年11月26日付日経速報ニュースより

 ●ドルは基軸通貨国として存在し続ける
 ●世界が米国を信認しなければ立ち行かない
 ●覇権主義に乗っかる

日銀の白川方明総裁は26日、東京大学で講演し、
金融危機で揺れる米ドルの位置づけについて
「ドルの金融市場は非常に厚みがあり、利便性が高い。
しばらくはドルの基軸通貨が続くと思う」と述べた。
そのうえで「世界の金融市場が安定していくために
金融・決済システム面での国際協力が必要」との認識を示した。

金融政策については、2001年から5年間導入した量的緩和政策について
「金融システムに対する不安が高かった時は、
潤沢に資金を供給することに意味があった」と評価した。
一方で「結果として金利がゼロ%程度になり、
マーケットがなくなってしまうという逆説的な状況になった」
と副作用もあったことを指摘した。

市場原理主義の崩壊や米国一極集中から多極化へ、
という言葉が飛び出しているが、実際に為替市場で起こっているのは、
各国通貨に対してドル高、つまり、
ドル=米国に対する信認が増しているという事実である。

一方で、金融危機に対応するため連発した救済策や安定化策により、
米政府と米連邦準備理事会(FRB)が投融資や保証を通じて
潜在的に抱えるリスクは最大で8兆ドル(約760兆円)を超す見通しになった
という報道も見られる。

これだけのリスクを抱えながらも、
その国の通貨が強くなっているということは、驚異的なこと。
同時期にドルに対抗できる通貨として存在してきたはずのユーロは、
今回の恐慌では少なくとも基軸通貨として存在する事は
難しいことが明らかとなった。
世界において米国の存在感が増しているという、
米国の覇権主義が続くという前提を考えておきたい。


3.インドで同時テロ

(出所)2008年11月27日付日本経済新聞夕刊1面より

 ●ムンバイ、駅、ホテルなどで同時テロ
 ●二大証券取引所が休場
 ●経済成長の象徴が狙われた意味は?

インド西部の商都ムンバイで26日夜(日本時間27日未明)、
武装集団が中心部の高級ホテルや駅などを
ほぼ同時に襲撃する大規模なテロが起きた。
ロイター通信によると、銃の乱射や爆弾などで外国人6人を含む101人が死亡した。
日本人で三井丸紅液化ガス社員の津田尚志さん(38)が死亡、
別の邦人1人も負傷したことが分かった。

現在も立てこもりが続いているタージ・マハルは、
私が2月にインドを訪問した際に宿泊したホテルでもある。
映像を見るたびに、大変な事態であることを実感する。

当メールマガジンでお伝えしているように、
世界の株式市場を大きく揺るがせているのは
新興国のデフォルトリスクが最も大きい。
アイスランド、ハンガリー等、実際に国際通貨基金(IMF)の資本を
受け入れざるを得ない、実質的な破綻を余儀なくされた国が出てきている。
これを竹中平蔵元大臣は「ティッピング・ポイント(沸騰点)」を超えたと表現した。
こうした状況下で起こったテロ。
富の分布に関する研究で著名なブーショとメザールは
「経済は突然かつ劇的に遷移状態を通り越す。
つまり、加速的に広がる富の格差があまりにも著しく、そのことだけで、
人々のあいだの富の流れでは格差を十分に軽減することができなくなり、
経済はティッピング・ポイントを越えて傾いてしまうのだ」と語る。

タイでもスワンナプーム国際空港が閉鎖された。
いま、新興国は、先進国のマネー恐慌とは別の恐慌と戦っている。
新興国では、各国企業の業績は伸びていても株価が下落するのは、
こうした背景がある。
現実にテロが起こり、新興国が苦しんでいる様が現実のものとなってきた。
こうした修羅場を乗り越えてこそ、再び新興国にマネーが戻る。
産みの苦しみも一緒に乗り越えて行く覚悟が新興国投資家に求められるだろう。


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■編集後記
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自分が泊まったホテルで立てこもりがある、というのは、
ほんの数ヶ月前と現在でどれほどの差があるのか、
ということを証明していると思います。

経済の象徴であるムンバイが狙われたことは、
巡り巡って先進国に対するテロということ。

9.11の同時多発テロと同レベルの緊張を持たなければならないと思います。


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