TOPIX +9 @1,987
日経平均 +209円 @28,334円
米国株式相場は高安まちまちだったが、日経平均は2営業日で600円超下落していたので、本日は自律反発狙いの買いが入って反発した。日銀が約3カ月ぶりにETFを買ったことや、円相場が円安・ドル高に振れたことも自動車など輸出関連銘柄を上げて日経平均を押し上げた。ただ、「まん延防止等重点措置」を適用する都道府県が増加してきたため、また経済回復に下押し圧力がかかる。
日経平均の日足チャートを見ると、反発して十字足となった。自律反発で上げたが寄り付いてからは強弱感が互角となり、上にも下にも大きくは動けなかった。昨年8月20日安値@26,954円を起点とすると緩やかな上昇トレンドラインが引ける一方、昨年9月14日高値@30,795円を起点とすると緩やかな下降トレンドラインが引け、両トレンドラインに挟まれた部分がほぼ三角保ち合いの形になってきた。徐々に上下幅が小さくなっており、煮詰まってきた。いずれ上下どちらかへ放れると見るのが定石である。日本経済が自力回復して株価を押し上げる力、新型コロナウィルスの感染拡大に怯えて経済活動を縮小させて株価を押し下げる力、米国長期金利の上昇により株価を押し下げる力、中国経済の減速が世界の経済活動に与えるマイナスの力など、様々な力が絡み合って結果を出す。無数の人間の欲望と恐怖が複雑に絡み合い、且つそれらが時間の経過とともに変化するので、合理的に考えただけでは株価の動を正確に予測することは不可能である。チャートの動きから帰納法的に経験則・定石により少し先の相場の方向性をイメージするが、常にその裏付けを演繹法的に理論からも取っておく。そうすることで見方の間違いを最小限に抑えることができる。それでも現実の株価を正確にとらえることはできない。その誤差は建玉操作という技能で補正し続けるしかない。この一連の流れは「相場の悟り」であり、実際に体験・経験してみないと心の底から理解できない。頭でっかちの中途半端な「お利口さん」には永遠に分からない。
33業種中26業種が上げた。上昇率トップ5は、鉱業(1位)、ゴム製品(2位)、パルプ・紙(3位)、輸送用機器(4位)、精密機器(5位)となった。