ようやく見えてきたコロナ後の相場展開(その1)

yuhsanさん
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皆さんこんにちは
2021年も今日で終わり。それにしても今年は株価が上下に大きく動きましたね。株価を変動させるイベントも多く、そのため社会や政治情勢に動かされ、「株価は経済の鏡」というよりは「株価は社会情勢を移す鏡」になってしまったようです。

この年の株価の4本足は、
始値(1月4日) 27,575円
高値(2月16日、9月14日) 30,714円、30,795円
安値(1月6日、8月20日) 27,055円、26,954円
終値(12月30日) 28,791円
となって、天井も底値も1番2番があるという面白い現象で、アメリカ株に大きく後れを取ったとはいえ、終値で90年バブル以来の高値となりました。

そんな中、やはり株価に大きな影響を与えたのが新型コロナウィルスで、アメリカと日本で政権の交代が起こりました。アメリカでは、昨年11月の選挙で共和党のトランプさんから民主党のバイデンさんに替わり、日本でも9月に自民党の総裁に選出された岸田さんの下での総選挙で、自公連合が安定多数を獲得し、11月には岸田内閣が発足しました。

指導者が変わることで、地政学リスクも大きく変化しました。紛争の火種とされていたアフガニスタンでは、20年間続いたアメリカによる民主化統治が終わり、タリバンが復活したのです。2001年9月11日の同時多発テロ事件は、ひとまず区切りをつけましたが、太平洋地域における中国の覇権拡大と、北朝鮮政権の核武装の強化で、東太平洋地域の不安定さがより増してきています。これにより、経済大国1位と2位による覇権争いが、自由資本主義と国家資本主義という形で展開され、韓国、台湾をめぐる半導体のサプライチェーン再編成の動きも経済に大きな影を与えました。

日本では、この年最大のイベントであるオリンピックが1年遅れの7月26日から8月11日に開催され、史上最多の58メダルを獲得して終了しましたが、開催に際してはコロナ感染者の増加と一部マスコミの反対運動で、無観客での開催を余儀なくされてしまいました。ただ、1日当たりコロナの新規感染者数は、オリンピックの終了後の8月25日の25,000人のピークから急減し、11月には100人前後までに減少しました。当時の菅首相のアメリカでのワクチン確保と、日本におけるワクチン接種率の増加で、コロナの猛威から逃れることができたのです。

新型コロナの影響が政権を変え、政権の交代で株価が上昇したのです。アメリカでは年初から、コロナ感染が収まりを見せない中でも、ハイテク中心のナスダックが牽引し、ほぼ一本調子で上昇を続けています。ただ、日本では政権交代を受け、9月にこの年の高値の30,795円を付けたのですが、これが2番天井となり、その後は28,000円から29,000円の往来相場となっています。多くの投資家は岸田さんの政策が投資家(特に海外)の心理を冷やしたと見ていますが……。

政権交代が必ずしも株価に影響してはいないのですが、コロナの終息ができれば、以前のように国の間で、人と経済の自由な往来ができることになるのは間違いありません。それが来年の株価の最大の変数になりそうです。そのためには、ワクチン接種率の向上と接種期間の向上を図るとともに、飲み薬の開発認可がカギを握っていると思われます。この点に関して韓国のメディアが、コロナ対策の切り札になる飲み薬について有用になる記事を掲載していますので、参考にしてはいかがでしょうか。

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朝鮮日報/朝鮮日報日本語版(2921年12月掲載から引用)
ファイザーの「コロナ経口薬」がゲームチェンジャーになるか
  
コロナ「経口治療薬(錠剤)」の最大の強みは、デルタ株はもちろん、オミクロン株に対しても効果を発揮する点にある。また経口薬はウイルスの複製を阻止する効果を発揮するため、理論上はいかなる変異ウイルスにも対処できると専門家は口をそろえる。

これまでの点滴型抗体治療薬は、ウイルスが人間の細胞に侵入する際に作用する「スパイクタンパク」に付着する抗体を投入するものだった。そのためスパイクタンパクが異なる変異ウイルスに対しては治療の効果が低下するとの懸念がこれまでも指摘されてきた。米国、オーストラリア、フランスなどではこれらの抗体治療薬について「オミクロン株の感染防止に失敗した」とする研究結果が最近になって相次いで発表されている。

服用しやすい点も経口薬の大きな強みだ。12歳以上の高リスク患者であれば誰でも病院で処方を受けて経口薬を購入し、服用すればよい。ファイザーが開発した「パクスロビド」は抗ウイルス薬「ニルマトレルビル」とすでにHIV(エイズウイルス)治療に使われている抗ウイルス薬「リトナビル」の二つの経口薬を同時に服用する。150ミリグラムのニルマトレルビル2錠、100ミリグラムのリトナビル1錠が1セットとなる。3錠を12時間ごとに5日間服用する。つまり5日間で30錠飲まないと効果が出ないということだ。メルク社の「モルヌピラビル」は1日2回、1回4錠を服用する。5日で40錠だ。

価格は非常に高い。米国政府がファイザーと契約した内容によると、患者1人分に530ドル(約6万1000円)、メルクは700ドル(約8万円)ほどになるという。梨花女子大学木洞病院呼吸器内科の千恩美(チョン・ウンミ)教授は「パクスロビドにこれまで伝えられているほどの効果があり、副作用が小さいのであれば新型インフルエンザ流行当時のタミフルのように救援投手になるかもしれない」と期待を示した。

米国は1月までに26万5000人分のパクスロビドを確保する予定で、日本はモルヌピラビルの製造・販売を24日に承認し、今週末から20万人分を全国各地の医療機関に配布することにした。

ただしファイザーの経口薬とは違ってモルヌピラビルはその効果がやや低いとの研究結果もある。メルクは先月モルヌピラビルについて「高リスク群に対する入院・死亡の予防効果は50%ほど」とする臨床試験の結果を米国食品医薬品局(FDA)に提出したが、FDAが検討したところその効果は30%ほどとする結論が出された。フランスは今年10月に5万人分のモルヌピラビルを注文したが、後にこれをキャンセルしてファイザーのパクスロビドに変更した。フランスのベラン保健相は「モルヌピラビルの効果が低いとする研究結果を受け、代わりにパクスロビドを注文した。1月末までに確保できると期待している」と述べた。イタリアは二つの経口薬を5万人分ずつ購入し、ベルギーもモルヌピラビルを購入する契約を結んだ。

問題は供給不足だ。特にファイザーが鍵になる。米ホワイトハウスでコロナ対策調整官を務めるジェフ・ザイエンツ氏は「パクスロビドは活性成分の生成に関与する複雑な化学作用により生産に6-8カ月はかかるようだ」「来年夏以降になれば(米国政府が契約した)1000万人分を全て受け取れるだろう」と述べた。

米国でさえこのような状況であれば、他国での確保はさらに難しくならざるを得ない。ファイザーが今年生産し直ちに供給可能としているのは全世界でわずか18万人分だ。ファイザーは来年の供給量を1億2000万人分と見込んでいるが、これも断言できないと指摘する声も多い。コロナワクチンは米国や欧州各国が数億回分を確保したが、経口薬は供給の条件が異なるためこれを確保するための競争が全世界で熾烈(しれつ)になりそうだ。カトリック医大の白順栄(ペク·スンヨン)名誉教授は「オミクロン株がすでに流行している今、どれだけ早く治療薬を確保できるかが重要になるだろう」と予想した。

ファイザーは先月、国際公衆保健団体の医薬品特許プール(MPP)と協力し、ジェネリック医薬品メーカーがパクスロビドを生産し、95の低所得国・中所得国に供給することで合意した。それでもこのジェネリック薬が市場に出るのは早くても来年の末ごろになりそうだ。

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以上ですが、これらの経口治療薬が早く認可され、日本でも使用可能となれば、インフルエンザ治療薬と同じくらいに容易にコロナと対峙することが可能になりそうです。更に、ジェネリック医薬品が世界中に行き渡れば、コロナの縛りから解放される日はそう遠くないように思えますが……

明日は新年です。皆様のご多幸と良き年を祈念して。

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