TOPIX -7 @1,992
日経平均 -115 @28,792円
日本市場が明日から1月3日まで休場となることから、その間に海外市場で何か大きな悪材料が飛び出してくることを警戒して、買い持ちポジションを減らす動きがあったが、反対に売り方がショートカバーのため買い戻す動きもあった。日経平均は前場では一時300円超の下げとなったが切り返して下げ幅を縮小した。円安が進んだため、輸出関連銘柄が買われて相場全体の下げを緩和した。
終わってみれば、2021年の株式相場は終値で見ると1989年12月末(38,915円)以来32年ぶりの高値水準となった。コロナ禍で下へ大きく引っ張られた株価が経済活動正常化を期待した反動と、世界主要国の金融緩和政策と財政出動政策によるテコ入れにより大きく反発した効果である。ただ、年間で2割以上反発した欧米株に対して、日経平均で見る日本株は僅か4.9%の上昇だった。日本企業の業績改善が冴えなかったわけではない。寧ろ、非常に良くなった。2020年12月30日時点での予想EPSは1,086円だったのが、2021年12月29日では2,090円へ上昇したのだから。しかし、先行きに対する投資家の悲観度が増したため予想PERが25.26倍から13.8倍へ低下したのが株価が僅かにしか上昇しなかった主な原因である。
株式市場では新型コロナウィルス「デルタ株」に対する「恐怖」がまだかなり残っているようだが、いつまで過剰反応を続ければ気が済むのだろうか?世界史をちゃんと学べば、感染率と引き換えにその毒性を徐々に下げながら生き延びようとする何十万年と変わらないウィルスの生存戦略が読み取れる。ウィルスもバカじゃない。宿主である人間を絶滅させてしまったら、自分たちも絶滅する。だから感染率を高めると同時にその毒性を高めるような自殺行為はしてこなかった。命ある「種」の絶妙なバランス感覚だと思う。
33業種中28業種が下げた。下落率トップ5は、その他製品(1位)、水産・農林(2位)、陸運(3位)、空運(4位)、繊維製品(5位)となった。