元祖SHINSHINさんのブログ

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天才とは天のささやきを聴ける人 ラマヌジャンという数学者

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(略)

小川:そのラマヌジャンがどれだけすごいかというと、

   いろんな定理を夢の中で発見しちゃうんですよね。

   それを証明しなければいけないという必然さえ感じずに、

   自然に真理を見つけてしまうという人だった。

 

藤原:そうなんです。高校出ただけなのに、あんまりどんどん発見しちゃうんで、

   インドでは大天才となったんです。

   でも、植民地インドの片田舎では天才でも世界に出たらどうか、

   ということで宗主国イギリスの大学教授の何人かに発見した公式を送るんですが、

   みんな突っ返されたり捨てられるんですよ。

   二十世紀の初め頃で、イギリスの植民地はどこも愚民化政策をとっていますから、

   ろくな教育もないインドあたりから手紙が来たって誰も読まないんですね。

   ところが、ケンブリッジ大学のG・H・ハーディという教授が読んだら、

   「すごい!」ということで。彼はたまたまその分野の専門家だった。

   で、彼は苦労してラマヌジャンを呼び寄せるわけです。

   そしたら、毎朝、六個ずつ新しい定義をハーディ先生のところへ持って行ったというんです。

   私なんか一年かかってやっと一個か二個ですからね。しかもくだらない定義でね。

   ラマヌジャンは毎朝六個ずつ、しかもすばらしいのを持って行ってるんですね。

 

小川:それがナーマギリ女神のお告げだっていうんですね。

   自分が見つけたって威張らないんです。

 

藤原:そう。友達にね、

   「君、こんなこと言っても信用してもらえないだろうけど、ナーマギリ女神が夢の中で

    僕に教えてくれるんだよ。僕は朝起きると言われた通り書いているだけだよ」って、

   あっちこっちで言っているわけね。

   イギリスの数学者はもちろん誰もそんなこと信じていませんけども。

   でも、本人はそう言っているんですね。(略)

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★「世にも美しい数学入門」

  藤原正彦・小川洋子著 ちくまプリマー新書 760円+税 

  2005.4.10初版第一刷 2012.1.15.初版第十三刷

 

こういう話、大沢在昌親分とか知ったら、すんごい嫉妬するんだろう。

人がどんだけ苦しんで書いているのかって、頭にくるんだろう。

 

でも、ラマヌジャンほど明確に自覚できなくても、

人というのはひょっとして、さも自分で決断したつもりであっても、

ひょっとしたらそれは、誰かが頭の中でささやいている声を聴いていやしないか?

 

「なんとなく、そう思った」とか、

「どうしても、そうしたくなった」とか、

誰かがささやいているとしたらオモロイ、と思えるオイラは変だろうか。

一歩間違えると病気とされてしまうけど。

 

オイラは高校生の頃、神社で不思議体験をして以来、そう思うようになっている。

オイラの本性は、きっと相当なワルなんだろうと察している。

けれど、あの不思議体験に遭遇して以来、本当にワルいことはできなくなってしまった。

 

本来なら、すでにたくさんの人を殺めて、とっくに死刑になっていると思う。

特に、あのIT談合事件の時に。

オイラはそのとき、ほとんど崇徳院のようになっていた。

米国などで起きる乱射事件など、とても人ごとに思えない。

神社があって、基本的に銃のない日本という国に生まれたのは幸いだった。

落雷が落ちて敵方が二人死んだのも、実は不幸中の幸いだったのだろう。

 

どうやら「良心」という名の強力で、誰にもみえやしないワッカを、

孫悟空のようにオイラの頭にはめられてしまったようだ。

 

と同時に、オイラがオイラの頭で考えて行動していると思っていることも、

実はそういう方向へ差し向けるべく、

誰かがオイラにささやいているのではなかろうかと思えることが、

人生を振り返ってみると何度か起きている。

 

あまり詳しく書いてしまうと、小説にするとき困ってしまうので、

もったいないからこの辺にしておくけれど。

そう考えるとやっぱり神社への参拝は欠かせないと思うし、

それによってもたらされるのであろう、己の嗅覚を磨いていきたいと思うのだ。 

 

PS:プロットをほとんど決めないで書き進めていく村上春樹の手法は、

   恐らくこういうことが根本にあるように思える。 

   ささやかれるのを、待ってるんだ。

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