韓国国民年金

[麦にゃんさん]

韓国最大の機関投資家である国民年金公団は２日、英ロンドン郊外のガトウィック空港に約1800億ウォン（約140億円）投資すると発表した。同公団は運用収益の向上を狙って債券中心の保守的な運用から積極運用への転換を推進。2014年には海外資産への投資を３倍以上に拡大する方針で、国際金融市場での存在感が高まりそうだ。
　来週をメドにガトウィック空港の運営会社の株式を保有している米投資ファンド、グローバル・インフラストラクチャー・パートナーズから持ち分12％を買い入れる。同ファンドは昨年、英空港管理会社ＢＡＡから同空港を15億1000万ポンド（約2200億円）で買収していた。
　国民年金公団によると、ガトウィック空港は１日あたりの滑走路利用率基準で世界１位と効率性が高い。2012年のロンドン五輪開催などに伴い利用客の増加も予想され、安定的な現金収入を背景に高い投資収益が見込めると判断した。
　韓国国民年金公団は1988年の国民年金制度開始に伴って設立された。09年11月時点の運用資産は274兆ウォン（約21兆円）と世界の公的年金で５位前後の規模。運用資産は14年に432兆ウォンにに増える見込みだ。
　従来は運用資産の約８割を国内外の債券で運用してきたが、14年には10％以上を外国株に投資するなど海外資産での運用を現在の27兆ウォンから86兆ウォン以上に増やす計画。インフラ（社会基盤）や不動産へも積極的に投資する。昨年は英銀最大手ＨＳＢＣのロンドンのビルを７億7250万ポンドで買収した。