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シンク・グローバル(3)-マネーの行方と日本市場-

またまたサブプライムローン問題の再燃とかで、アメリカ市場の暴落(11/1)、それに伴ったお約束の日本市場の下落でした。
8月の暴落時には、急落後に比較的早く値を戻したドルも戻りが鈍く、各通貨とのドル安の傾向が鮮明になっており、そうなるとドルの購買力も徐々に落ちることになり、そろそろ懸念していた本格的なアメリカ経済悪化の兆しが見えてきたようです。
理由のあるアメリカ株式市場は別として、日本株式市場は何故、上昇することができないのでしょうか?
それは、日本を含めた世界のマネーの流れ、特に売買代金で約6割を占める海外のマネーの流れを考えることにより、明らかになってきます。
最近の新興国市場、商品相場、為替と株価の変動を観察していると、安価な労働力と、豊富な資源を背景にした新興各国の経済成長とそれにより生み出されるマネー(特に中国マネー。これについては、いずれ詳細に記すことにします。)、それらの国の需要拡大による原油高騰と増え続けるオイルマネー、サブプライムローン問題とそれによる利下げ、金利据え置きのために先進各国にあふれ返るマネーが、リスクのある自国の証券投資を避け、商品相場に流れ込み、更なる原油高騰、資源高を誘発、投資資金により潤った新興各国の企業の成長を見越して新興国株式市場にも資金が流入、上昇を続けるという構図が読み取れるのです。
一方、日本には資源と呼べる資源はなく、人口増加が頭打ちで移民も受け入れず世界一人件費の高い国であるために、そこで生産される製品には、コスト競争力がありません。技術力、ブランド力で付加価値を付けようにも、潤沢な資本を背景にした新興国企業の追い上げにあってそれもままならなくあります。なにより、命綱の工業製品には’不作’が無いために、常に供給過多の状態にあり、値上げすることができないのが大問題です。(薄型TVの苦戦が良い例です。)
これらを総合すると、今後の日本市場への投資は、あまり旨みがあるとは言えないのです。もちろん、世界でトップクラスのシェアと固有技術でアドバンテージのある一部の企業(ブリヂストン、トヨタ、テルモ、イビデン、任天堂等)は、世界経済の発展を背景に利益を上げ続けるとは思うのですが、これらの企業は極少数で、株価は既に上昇してしまっています。
よって、あえてこの国で収益を目的とした株式投資を行うとすれば、
①先に書いた企業群の更なる成長に期待する長期投資
②需給関連の動きを利用した投機活動(鞘取り)
しかないのでは、という結論に至りました。(あくまでも私的見解です。)
将来の収益ではなく、現在のキャッシュフローを重視する私は、当然、②の行動をとるしかないために、現在は何もやることがなく、もっぱら前記考察をもとにして新興国市場への投資を進めているこの頃です。
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3件のコメントがあります
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    socialcolorさん
    2007/11/4 08:01
    あしすあべばさん
    新興国市場すべてが有望ではないことに注意が必要かと。
    経済成長に裏付けのある、中国、インド、ブラジルは別として、その他の国は非常に疑問があります。特に、タイ、スペイン、トルコは、新興国ブームに乗った投機マネーが大半だと考えており、国力、通貨の実力からみて投資には不適だと考えています。

    Tanpanさん
    いつもありがとうございます。日記楽しく読ませて頂いています。
    海外資金の日本株投資への意欲を持たせるには、まず、国民が自国の株式市場へ資金を投入し、キャピタルゲイン狙いではない、本当の意味での投資を行うことだと思います。
    そうすることにより、投機マネーに支配されない強い市場を構築することができると思います。投機マネーに支配されない市場だということが認識されることにより、自然と本来あるべきファンダメンタルに基づいた株式市場が形成されていくのではないでしょうか?(鞘取りで利益を出すお前が言うな!という突っ込みがありそうですが・・・)
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    Tanpanさん
    2007/11/3 20:52
    世界の中の日本という観点で投資を考えるとやっぱりそうなのかなぁって思います。
    特に売買代金6割が外国人の投資という事を考えると余計に・・ねぇxx
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    あしすあべばさん
    2007/11/3 11:50
    新興市場が活気づいている一端が読み取れた気がします。
    投資効率の点でもリスクがあるのが仕方ないのですね。
    内需株で成長力のある株も有効ですね。