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塩野七生さんの主張を考える

 今日の読売新聞の「大波乱に立ち向かう」(6)に塩野七生さんが登場している。その主張は次の三点に要約できる。

(1) アメリカの威信が低下、覇者たる帝国なき時代に入った。
が、後を引き継ぐ強力な国が見当たらない。EUもロシアも中国もあらゆる宗教を受け入れて正義を貫く度量はない。となると、世界秩序が維持できない。
 無秩序への逆行の証拠がアフリカ・ソマリア沖などで拡がる海賊の跋扈だ。塩野さんはこの現実を、「ローマの平和(パックス・ロマーナ)」が崩壊した途端に、サラセンの海賊が地中海に出現し、暗黒の中世が先年も続いた歴史に重ねる。パックス・アメリカーナの終焉がソマリア沖の海賊を跋扈させているというのだ。こんな無法者の横行にたいして、わが国はなんたらこうたら言って、撲滅させるべく断固立ちあがることすらできない。今の国会は何もできない状態にある。国民の間にも、正義感がなくなってきた兆候が蔓延しているのも懸念材料だ。
 
(2)世界を律する正義を守るため、日本は経済で貢献できる。
とはいうものの、法の正義を遵守して、手堅く生き延びたベネチア共和国のように、キラリと光る国になれるのだろうか? 情報政策も、外交手腕もなく、悪に完全と立ち向かう気力も武力もなくて、そんなことが果たして可能だろうか?

(3)政治危機の今、大連立内閣を組み行動することが重要だ。
さすがに、このままでは打開策はないと見て、塩野さんは憲法改正も視野に入れた大連立内閣を提案している。

 しかし、このような大英断を麻生総理ができるとは思えない。それが何故分かるか。端的な例を示せば、11月11日のエントリー「生活支援定額給付金の迷走」に書いたように、総理の言動はフラフラしていることだ。給付金についても最近また言うことが変わった。言う内容がこのようにくるくる毎日のように変わるのは、ものごとの本質が理解できていない人の特長だから。言動のブレが少ない強いリーダーシップが発揮できる小泉型政治家が出てこないと、日本はどうにもならない。

 塩野さんの最後の言葉はいい。
「人間は食と安全が保障されれば、略奪せず何とか自立できる存在だ」

 そういう多数の善良な人間達の為に、日本と言う国家の意志と行動力が必要だ。正義なき宗教の盲信者たちに、ゆだねていてはならないと思う。

 政治家は口を開けば「今は100年に一回の危機だ」とおっしゃる。翔年はそれよりも「政治の危機だ」と思っている。決断力と実行力のない政府組織はガンと同じだ。日本は体力のあるうちに手術をしなければならない。
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登録日時:2009/01/09(01:04)

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