昭和シェルが急騰、出光興産による買収報道を好感

　昭和シェル石油<5002.T>が急騰。一時、前週末比２９８円高の１３１８円まで買い進まれている。２０日付の日本経済新聞が「出光興産<5019.T>が昭和シェルの買収に向け交渉に入った」と報じたことが好感され、大量の買い物を集めカイ気配のスタートから、一時ストップ（３００円）高寸前まで買い進まれている。
報道によると、出光興産は１５年度前半をめどに株式公開買い付け（ＴＯＢ）を実施し、子会社化をめざすという。１５年２月にも基本合意書を交わし、公正取引委員会の審査などを経てＴＯＢを実施、買収総額は５０００億円規模の見通し。ガソリンなど燃料油の国内需要は減少が見込まれ、生き残りに向けて、国内で稼げる体質を固めたうえで海外市場の開拓を加速することで考えが一致したとしている。なお、ＴＯＢに際し２～３割のプレミアムをつけるとみられ、これが買い思惑となっているようだ。
今回の報道について、出光興産は２０日にコメントを発表し「事業再編に関して幅広く検討しており、昭和シェル石油ともさまざまな可能性について協議しているが、現時点で決定した事実はない。今後開示すべき事実が発生した場合は、速やかに開示する」としている。昭シェルも「他社との提携等のさまざまな経営上の選択肢について検討しており、そのなかで、出光興産とも協議をしているが、何ら決定した事実はない」としている。

昭和シェルの株価は１０時１１分現在１２７６円（△２５６円）
出光興産の株価は１０時１１分現在２０８０円（△５５円）


出所：株経通信（株式会社みんかぶ）