＜話題の焦点＞＝ＩＦＲＳ採用企業、国際化推進で増加基調続く

　日本企業による国際会計基準（ＩＦＲＳ）の採用が増加基調にある。ＩＦＲＳとは、国際会計基準審議会（ＩＡＳＢ）が作成している会計基準。世界で利用可能な単一の会計基準となることが目指されている。

　欧州連合（ＥＵ）が上場企業に採用を義務化するなど、世界的に普及が進んでいる。

　日本企業では、２０１０年３月期から適用を開始した日本電波工業<6779.T>が第１号。東京証券取引所の調べによると、今年７月現在で２７社が採用しており、ＨＯＹＡ<7741.T>やアンリツ<6754.T>、ソフトバンク<9984.T>、武田薬品工業<4502.T>などが適用している。今後はヤフー<4689.T>や富士通<6702.T>、セイコーエプソン<6724.T>などを含む１６社が採用を予定しており、合計４３社に膨らむ見込みだ。さらに多くの企業が採用に前向きな姿勢を示している。

　ＩＦＲＳの採用により海外企業との国際比較が容易になり、会計上もＭ＆Ａ（企業の合併・買収）もやりやすくなる。国際展開を進める日本企業にとってのメリットがあり、今後もＩＦＲＳの適用企業は増加傾向が続くとみられている。

◆主なＩＦＲＳの採用企業

銘柄（コード）　　　　　適用開始年度

日電波<6779.T>　　　　　１０年３月期
ＨＯＹＡ<7741.T>　　　　１１年３月期
住友商<8053.T>　　　　　１１年３月期
板硝子<5202.T>　　　　　１２年３月期（＊）
ＪＴ<2914.T>　　　　　　１２年３月期
ディーエヌエー<2432.T>　１３年３月期（＊）
アンリツ<6754.T>　　　　１３年３月期（＊）
ＳＢＩ<8473.T>　　　　　１３年３月期（＊）
マネックスＧ<8698.T>　　１３年３月期
双日<2768.T>　　　　　　１３年３月期
丸紅<8002.T>　　　　　　１３年３月期
トーセイ<8923.T>　　　　１３年１１月期（＊）
楽天<4755.T>　　　　　　１３年１２月期（＊）
ネクソン<3659.T>　　　　１３年１２月期（＊）
中外製薬<4519.T>　　　　１３年１２月期（＊）
旭硝子<5201.T>　　　　　１３年１２月期
ソフトバンク<9984.T>　　１４年３月期（＊）
武田薬<4502.T>　　　　　１４年３月期
アステラス<4503.T>　　　１４年３月期
リコー<7752.T>　　　　　１４年３月期
三井物産<8031.T>　　　　１４年３月期
小野薬品<4528.T>　　　　１４年３月期
三菱商事<8058.T>　　　　１４年３月期

注：＊は第１四半期からの適用


出所：株経通信（株式会社みんかぶ）