【井川純一の今夜も兜町で一杯】そりゃまあバタバタしていたわけだ

　２月２８日（火曜日）の日経平均株価は１１円５２銭高の１万９１１８円９９銭と、どうにか５日ぶりの反発です。今日もやっぱり為替横睨みで右往左往といった感じ。ただ、午後２時過ぎ辺りまで、もう少ししっかりした相場だったのですが、急速に上げ幅を縮小する展開。う～ん、その縮小の理由は為替動向だけなのかねぇ、マジによく分かりません。もしかしたら、トランプ大統領の議会演説を控え、「なにか変なこと言いそうで怖い」といった向きの売りが出たのかも。まあ、ただの推測です。
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　今日も相変わらず新興市場が強い。ジャスダックが１３日続伸、マザーズが７日続伸と、方向感なき東証１部を尻目にファイト一発！である。今日こそ、東証1部はやっとこさ反発しているけれど、主力がこんな感じでは、値動きの良い新興市場に目が向くのは当然だわな。

　この業界に入って、ずっと不思議に思っていたことがある。例えば、大手新聞にＡ社の業績にかかわる重大なニュースが掲載されたとする。すると、決まり文句のように「当社が発表したものではない」というコメントがＡ社側から出る。この事象、日常茶飯事の如く起こるものだから、当たり前のように感じているが、ふと考えれば「じゃ、誰がそんな重大なことを新聞社に漏らしたんだ？」と疑問に思うわけだ。まあまあ暗黙の了解で、「言わずもがな」の世界であることは重々分かっているが、やはり解せない。「大人になれよ」と友人によく言われるが、齢五十のジジイになっても、なかなか大人なんぞになれないのである。

　先日、ある企業に特集記事の取材でコメントを求めると、「今日はバタバタしておりまして、ちょっと無理」との返答。まあ、そう言われれば仕方がないわけで、「了解しましたぁ、それではまたよろしくです」と、明るく電話を切った。

　大引け後、その「バタバタ」の理由が判明する。取材先の企業がある会社へのＴＯＢを発表したのである。「そりゃまあバタバタしていたわけだ」と納得。ふと、思う、「だったら、そのこと教えてくれてもいいのに」。まあ、どう考えても教えてくれるわけもないのだが、妙に残念な気持ちになったりする。ああ、おいらたちには、当たり前だが暗黙の了解は存在しないのよねぇ。

　ジジイになっても大人になれない当方、永遠の小学生は今日も悩むのである。
《ＫＣ》

出所：株経ONLINE（株式会社みんかぶ）