【井川純一の今夜も兜町で一杯】新しい銘柄、出てこいやぁ！

　２月２０日（月曜日）の日経平均株価は１６円４６銭高の１万９２５１円０８銭と３日ぶり小反発。まぁ今日は為替横睨みの展開ってところでしょうか。為替が朝方、１１３円台を割り込むなど円高にふれたことが嫌気され、日経平均は一時１００円を超える下落となったのですが、その後は円高一服、プラス圏に浮上となりました。材料難、株価の行方は為替動向に握られている格好です。ああ、なにか新味ある材料が出てくれませんかねぇ。
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　さて、今日の方向感なき相場の中で、セクターでいえば人工知能（ＡＩ）関連株、情報セキュリティー関連株がしっかりした動き。ＡＩ関連ではブレインパッド＜3655.T＞が３日続伸で一時１２００円台回復しているほか、データセクション＜3905.T＞、メタップス＜6172.T＞、サイジニア＜6031.T＞、ロックオン＜3690.T＞など。情報セキュリティー関連株ではＦＦＲＩ<3692.T>、セグエグループ<3968.T>、ラック<3857.T>などに物色の矛先が向かっていた。まあ、これはこれで悪いことはないのだが、ここずっと続くテーマだけに、もうひとつ物足りない……と心の片隅では思っている自分がどこかにいる。

　土曜日に、元証券記者の友人たちと九段下の居酒屋で軽く飲んだのだが、「つまんねぇ相場だよなぁ」とため息まじりに天を仰ぐ。正直なところ、天を仰ぎながら言うほどのことでもないと思うのだが、その気持ちは分からなくもない。ほんまに、なにか新しい材料はないだろうか。どこぞの格闘家じゃないけれど「新しい銘柄・セクター出てこいやぁ！」といった雰囲気だ。

　ただ、「今の世の中テーマ買い自体が古い。基本は個別株だろ」と、同席したフリーライター氏が冷たく言い放つ。それは、ごもっともなのだが、「じゃ、上がる銘柄を教えてくれよ」と当方が、ホッピーをぐいっと飲みながら言うと、「そりゃ、ただじゃ教えられないな」と偉そうにおっしゃる。

　こちとら痩せても枯れても３０年以上兜町の片隅でそっと生きてきた身であり、頭を“下げて上がる”銘柄なんて聞くつもりはない。だいたいが、そんな偉そうに言う奴に限って、中身はすっからかんに決まっている。が、そんなすっからかんの人間から「下げて上がるって…つまらん駄洒落を、相変わらず言うのよねぇ」と、白い視線を投げかけられた。おいおい、そんなつまらんことを言うわけが……と言いたいところだが、ついつい口にしてしまった自分が恥ずかしい。

　今日、大引けを過ぎてぷらっと外出。外は、春の嵐といった感じ。ああ、春風に乗って、どこからか良い銘柄が飛んでこないもんかねぇ。
《ＫＣ》

出所：株経ONLINE（株式会社みんかぶ）