3日続落受け自律反発、先物主導には警戒感

著者:冨田康夫
投稿:2015/07/28 20:55

29日の株式相場見通し

あすの東京株式市場は、上海株式相場の動向など波乱要因が継続する可能性はあるものの、3日続落の後を受けて日経平均株価は自律反発に転じることになりそうだ。

28日の東京株式市場は、前日の8%を超える上海総合指数の急落や欧米株式相場の下落基調を嫌気して、前場に一時前日比279円安まで下落する場面があった。ただ、その後、上海株の下げ渋りや外国為替市場での円安・ドル高進行を受けて、日経平均株価は急速に下落幅を縮小する推移となった。
こうした値動きについて市場関係者からは「株価指数先物主導で全体相場が乱高下することに対する警戒感から、決算発表を評価して買い進もうとする動きが抑えられている」との見方が出ていた。
売り優勢で下落幅を広げる展開となったものの、後場に入り日経平均株価は、一時プラス圏に浮上するなど切り返す場面もあった。結局終値は、前日比21円21銭安の2万328円89銭と3日続落した。

日程面では、光学材料、電子材料、接合材料などの製造・販売を手掛けるデクセリアルズ<4980>が東証1部に新規上場する。このほか、全国財務局長会議、6月の商業動態統計、6月の専門量販店販売統計速報に注目。
海外では、米6月の中古住宅販売仮契約、米マイクロソフトが基本ソフト「ウィンドウズ10」の提供開始などが焦点となる。

<28日の動意株>

ソフトマックス<3671>=後場急動意でストップ高。
きょう午後1時30分に、地域医療機能推進機構(JCHO)とクラウド型病院基幹情報システム構築一式に係る業務受託契約を締結したと発表。業績への寄与などが期待されているようだ。この契約は、全国JCHOグループの57病院中10病院を対象にクラウド型の電子カルテシステムやオーダリングシステム、医事会計システムの構築および運用保守を行うもの。

サンセイランディック<3277>=大幅高。
27日の取引終了後、15年12月期の第2四半期(1~6月)連結業績予想の増額修正を発表。売上高は36億1500万円から42億8900万円(前年同期比8.4%増)へ見直したほか、営業利益は6600万円から3億9400万円(同28.0%減)へ、最終利益は700万円から2億1100万円(同24.1%減)へ修正した。主力の不動産販売事業で物件販売が順調だったことが寄与した。

さくらインターネット<3778>=ストップ高。
27日の取引終了後、8月31日を基準日として1対4株の株式分割を実施すると発表しており、これを好感した買いが入っている。投資単位当たりの金額を引き下げることで、投資家層の拡大と市場流動性の向上を目的としているという。効力発生日は9月1日。また、9月30日時点の株主から、株主優待制度を導入するとあわせて発表したことも好材料視されているようだ。

プロルート丸光<8256>=ストップ高。
27日取引終了後に、中国の済南総合保税区発展中心および道紀忠華シンクタンクと業務提携したと発表。これが材料視されているようだ。主な提携内容は、高品質な日本製商品の提供や商品の保税保管および商品販売業者の紹介、中国国内へ少しでも安く短期間に配送できる貿易モデル確立への包括的支援など。

アサックス<8772>=急伸。
27日取引終了後に、16年3月期第1四半期(4~6月)の単独決算を発表。営業利益は10億5600万円(前年同期比34.9%増)となり、上半期計画17億5900万円に対する進捗率は60.0%に達した。営業収益は15億6000万円(同24.1%増)で着地。期中平均営業貸付金残高が前年同期比13.2%増となったことなどが寄与した。なお、上半期および通期の業績見通しは従来計画を据え置いている。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想