目先は動きづらく、神経質な揺れ動き…!?

著者:武市佳史
投稿:2014/10/21 11:06

◆「ダブル辞任」が足を引っ張り、上値追いに至らず…

※ご注意:予想期間は10月22日と表示されていますが、本日(10月21日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。

リスク選好姿勢は優勢だったものの、やはり上値追いには至りませんでした。
逆に「小渕経産相・松島法相のダブル辞任」が、足を引っ張った格好となりました。

“ある程度織り込んでいた”東京勢の反応はほぼありませんでしたが、織り込み切れていない欧米勢はやはり“アベノミクスへの信認低下への疑念”と捉えました。
こうして578円高の急反発を見せた日経平均に続く株高連鎖は発生せず、欧米株式が反落する中で調整売りが目立ち、ドル円は107円台を維持することができませんでした。
ただ120ドルほど下落していたNYダウが最終的に値を戻し(+19ドル)、また2.16%へ低下していた米10年債利回りも持ち直した(2.19%)ことから、下値も限定されています。

◆テクニカルはあまりいい形とはいえない

一時は突破したものの、結局は“110円到達からの下落に対する38.2%戻し(107.06円)”に押さえ込まれた格好となっており、テクニカル的にはあまりいい形とはいえません。
また107円前半では国内輸出筋のドル売りが散見されています。
このため目先の抵抗ラインとして意識されやすく、上値に圧し掛かる展開が想定されるところです。

◆ただ下値は堅い

一方で106円台には本邦輸入筋のドル買いオーダーが待ち構えており、これが下値を支えると見られます。
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)絡みの期待感も継続していますので、より下値の堅さが強調される可能性は否定できません。

◆目先は107円ラインを挟んだ揺れ動き…!?

本日のメインイベントは、何と言っても中国経済指標(GDP・小売売上高・鉱工業生産)です。
強めなら「リスク回避の巻き戻し(円売り)」、逆に弱めなら「世界的な景気減速懸念再び(円買い)」となる可能性が指摘されますが、来週のFOMC(米連邦公開市場委員会)を前に手控えムードも広がりやすい環境といえます。
つまり、かなりインパクトのある数値でなければ、「一方向には大きく動かない」と考えるのが自然ということになります。

リスク回避姿勢への警戒を緩めることはできず、また一本調子に値を戻すほどの勢いは見られていないだけに、目先は107円ラインを挟んだ揺れ動きを想定したいところです。
スパンを長めにとるのであれば、106円台は買い拾いたい水準といえますが…。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:107.639(日足・一目均衡表基準線、10/1~10/15の50%戻し、10/13高値、ピボット2ndレジスタンス)
上値4:107.490(10/15高値)
上値3:107.394(10/20高値)
上値2:107.282(ピボット1stレジスタンス)
上値1:107.062(10/1~10/15の38.2%戻し水準、大台)
前営業日終値:106.919
下値1:106.780(10/20安値)
下値2:106.668(ピボット1stサポート)
下値3:106.554(10/15~10/20の38.2%押し)
下値4:106.406(50日移動平均線、ピボット2ndサポート)
下値5:106.294(10/15~10/20の50%押し)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:41 ドル円 抵抗・支持ライン追加
11:48 小見出し1件追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想