米政府暫定予算の行方から日銀へ

著者:比嘉洋
投稿:2018/01/19 16:02

いよいよ来週は日銀金融政策決定会合

ドル円(日足)
ここにきてにわかに米暫定予算に関し、政府機関閉鎖の懸念が高まっています。
昨日のNY市場では暫定予算期限を19日に控え政府機関閉鎖懸念の高まりからドル売り、その後予算可決見通しにより引けにかけて111円台を回復しています。下院は暫定予算を採決するための動議を可決しました。

しかし問題は下院ではありません。上院では暫定予算案を阻止するための票数を上院民主党が確保したとの報もあり、予算可決まで安心はできない状況です。しかしながら、予算否決・政府機関閉鎖は(ギリギリで)回避されると見ており、これも一種の政治パフォーマンスという見方もあります。本邦実需の動向を確認すると、輸入勢が積極的にドル買いに動いている一方で、111円台ミドルアッパーからの戻り売りでがっぷり四つの展開となっています。

来週の注目点は23日の日銀政策決定会合です。超長期債のオペ金額減額で出口に関する思惑が広がり、相場が変動(円高)したことは記憶に新しいところ。日銀が経済成長を引き上げるとも見られており、「金融政策正常化」との見方にも繋がりやすいだけに、注目が集まります。会合後の記者会見で黒田総裁は早期の出口に否定的な見方を示すと思いますが、言葉尻を捉えて報道される可能性もあり、波乱の要因になりえると考えます。今回の会合、また迫ってくる黒田日銀総裁の任期までに様々な思惑が相場のノイズになるのは不可避と言えそうです。

株価とドル円相場はポジティブサイドには相関が低いようです。プロダクツの中で一番はしゃいでいるのが株式市場のように見受けられますが、今後も上昇局面でのドル円相場の上昇はあまり期待できそうにもありません。しかしながら、リスクOFF局面では昨日のように一時的にせよ、相関が高まる場合がありそうですので、こちらにも注意しておきたいところです。
比嘉洋
マネースクエア シニアコンサルタント
配信元: 達人の予想