ドル買い戻しの本格化は“もう少し先”…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/08/23 11:06

◆ようやくドル買い戻し先行

※ご注意:予想期間は8月24日と表示されていますが、本日(8月23日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


昨日は幅広い通貨に対して“ドル買い”が目立ちました。

NYダウが急上昇、米10年債利回りが2.21%への回復を見せる中、ドル円は上値を押さえられていた109円半ばを突破し、東京タイムにかけて一時109.80円水準まで反発しています。
“米税制改革への期待感”が台頭したこともありますが、“ジャクソンホール会合に向けたポジション調整”がようやく入った感じといえそうです。

◆“もう一段の買い戻し”が入っても不思議ではない局面だが…?

“イメージは下方向”との見方は依然として根強いものがありますが、昨日も記したように“ダブルトップ完成を三度失敗”した格好となります。
テクニカル的に“下値達成感”が台頭しやすく、“仕掛け的動きにブレーキ”もかかりやすい環境であったことは疑いようがないところです。
刻一刻と迫るスケジュール感を背に、“ポジション調整が促された”と考えるのが自然です。

NYダウ急反発、米10年国債利回りもしっかりとした動きですので、“もう一段の買い戻し”が入っても何ら不思議ではない局面といえます。
“先週末からのレンジ(108.60-109.60円)”を上に放れつつありますので、“リスク選好+金利格差”双方を背景にした円売りへの期待も膨らむところです。

◆今週最大のイベントは、あくまで“ジャクソンホール会合”

ただし今週最大のイベントはやはり“ジャクソンホール会合”です。
それを前にした動きは“あくまでポジション調整の範囲内”と考えるのが自然であり、“一方的にドル買い戻しが続く”と考えるのはあまりにも早計です。
さらに、台頭することはないと見てはいますが、“北朝鮮情勢(リスク回避)”もまだ燻り続けています。

“オーバーシュート分は巻き戻されてしかるべし”と考えますが、目先に関しては「8/16~8/18の61.8%戻し&20日移動平均線が重なる110.051円では上値を押さえられる」と見るべきか…?

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:110.357(8/17高値)
上値4:110.141(ピボット2ndレジスタンス)
上値3:110.051(8/16~8/18の61.8%戻し、20日移動平均線、大台)
上値2:109.774(8/16~8/18の50%戻し、日足・一目均衡表転換線、ピボット1stレジスタンス)
上値1:109.649(8/22高値)
前営業日終値:109.558
下値1:109.249(8/18~8/22の38.2%押し)
下値2:109.125(8/18~8/22の50%押し、8/22NYタイム安値、ピボット1stサポート)
下値3:109.002(8/18~8/22の61.8%押し、大台)
下値4:108.866(8/22安値)
下値5:108.778(週足・一目均衡表先行スパン下限)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:32 ドル円 抵抗・支持ライン追加
11:40 誤字修正
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想