思惑は“下方向”に傾斜も、「割り込むのは容易ではない」…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/08/18 11:13

◆“リスク回避の円買い”再襲来 - 戻す場面見られるも、反落

※ご注意:予想期間は8月19日と表示されていますが、本日(8月18日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


「前日のFOMC議事要旨後のドル安は往き過ぎ」との見方そのままに、一時109円半ばへ突っ込んだドル円は110円台へと切り返しました。
しかし「コーンNEC(米国家経済会議)委員長辞任…?」との噂や、「スペイン・バルセロナで発生した自動車テロ」の報を背景に、“リスク回避の円買い”が再び誘われている印象があります。
“前日高値からの50%戻し水準(110.307円)”で上値が押さえられたことも重荷となり、NYダウは今年2番目の下げ幅(▲274ドル)を伴って下落、米10年国債利回りは11日以来の2.18%に低下するにつれて、ドル円は再び110円の大台を割り込みました。

◆買い方は「さらに劣勢に立たされる」覚悟が必要…?

“米朝の緊張緩和”にもかかわらず、次から次へと“リスク回避要因”が湧き出す状況は、“下落往き過ぎ感”を“さらなるドル売り”が凌駕している状況といえます。
買い方としては「さらに劣勢に立たされる」も覚悟せざるを得ないところかもしれません。

◆それでも「割り込むのは容易ではない」…!?

しかし本日は“週末”であり、“109.30-00円に展開するドル買いオーダー”はかなり厚みを増しています。
「“7/11~8/11の38.2%戻し(110.931円)”へ到達した達成感」+「前記した“各種リスク回避要因”」が“ドル買いオーダー割れを窺う”と見るのが自然ではありますが、それでも「割り込むのは容易ではない…?」
引き続き「ここからの下値追いはオーバーシュート」と考えて、下方向へと傾斜する思惑に臨みたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:110.593(8/16~8/17の76.4%戻し)
上値4:110.357(8/17高値、8/16~8/17の61.8%戻し)
上値3:110.198(8/16~8/17の50%戻し、ピボット1stレジスタンス)
上値2:110.021(8/16~8/17の38.2%戻し、大台)
上値1:109.838(日足・一目均衡表転換線)
前営業日終値:109.562
下値1:109.449(8/17安値)
下値2:109.252(8/11~8/16の76.4%押し、ピボット1stサポート)
下値3:109.077(8/14安値、大台)
下値4:108.920(8/11安値後の押し目、ピボット2ndサポート)
下値5:108.719(4/20安値、8/11安値、週足・一目均衡表先行スパン下限)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:38 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想