ここからの下値追いは“往き過ぎ”…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/08/17 11:04

◆米12月利上げ観測後退 - 再びドル売り

※ご注意:予想期間は8月18日と表示されていますが、本日(8月17日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


注目のFOMC議事要旨は、再びドル売りを促しました。

「9月バランスシート縮小は既定路線」との見方が示された一方で、「インフレは2%を下回る状態が予想以上に長引く」との見方が多数派を占めました。
盛り上がりつつあった“12月利上げ観測”に暗雲が立ち込めた格好であり、ドル買いの気勢は削がれました。
さらに“トランプ政権の迷走”の再燃もドル売りを促し、“米朝の緊張緩和”を背景に111円手前へと押し上げられていたドル円は、一気に110円水準へと押し戻されました。

◆テクニカル的には“上値の重さ”を露呈した格好…

111円に到達できなかったことで、テクニカル的には“上値の重さ”を露呈した格好といえます。
また“7/11~8/11の38.2%戻し(110.931円)”には到達していますので、“上値メドに到達”との達成感が囃されることもあるかもしれません。

しかしながらFRBは「金融政策運営は今後の米経済指標次第」と繰り返し述べていますので、昨日のFOMC議事要旨のみを背景に“ドル売りが断続的/継続的に持ち込まれる”といった展開は、ちょっと想定しづらいところです。
それでも“ドル買いの気勢”が削がれたのは事実であり、“トランプ政権の迷走”も重なっていることを考えると、“さらなるドル売りが囃されやすい”と考えるのが自然です。
つまりここからの下値追いは“往き過ぎ”…!?

◆ただし110円水準では“収斂圧力”が働く…!?

110.00円水準にはオプションも設定されていますので、収斂圧力が働くことも想定されます。
“イメージ的にはさらなるドル売り”“110円を割り込むこともあるかも?”といったところではありますが、“下振れリスクはさほど大きくはない”…。
“ドル買い戻しは小休止”ではありますが、“押し目買いは継続”と考えて臨みたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:111.047(8/4高値、大台)
上値4:110.947(8/16高値)
上値3:110.748(ピボット1stレジスタンス)
上値2:110.458(8/16高値後の61.8%戻し)
上値1:110.307(8/16高値後の50%戻し)
前営業日終値:110.190
下値1:110.030(8/16安値、大台)
下値2:109.838(8/11~8/16の50%押し、日足・一目均衡表転換線、ピボット1stサポート)
下値3:109.603(8/15安値、8/11~8/16の61.8%押し)
下値4:109.427(8/14高値後の押し目、ピボット2ndサポート)
下値5:109.252(8/11~8/16の76.4%押し)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:25 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想