「トランプファミリー窮地」からドル円も重く110円前半も意識されやすい・・・ トレードタイム

著者:平野朋之
投稿:2017/07/24 11:20

暴騰するユーロドルと2016年安値の接近中のドルインデックスにも注目!

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■「トランプファミリー窮地」からドル円も重い展開と予想

今週は「政治リスク」が表面化しやすいことから「ドル売り優勢」の展開を予想しています。
特に以下の証言には注意したいです。

・24日…娘婿のジャレッド・クシュナー大統領上級顧問(上院情報特別委員会)
・26日…トランプ・ジュニア氏・選対本部長ポール・マナフォート氏(上院司法委員会)

更に、モラー特別検察官がトランプ大統領の商取引についても取り調べが報道され、また大統領報道官の交代も発表するなど、トランプ政権の先行きに一段と不透明感が増しています。

また、今週はオバマケア見直しも先送りされ、政権誕生から半年で何も政権公約が果たせていないことで、不透明感が台頭し、ドル円も方向感が出にくい展開を予想しています。



■ドル円チャートはレンジ相場に再突入&110円前半も意識されやすい?

ドル円の日足チャートは、週末の大陰線で後味の悪い週明けを迎えています。
200日移動平均線をあっさりと下抜けしました。

また、6月14日安値と7月11日高値に対するフィボナッチでの押し目とされていた50.0%(111.65円)も突破し、チャートの形をみればレンジ相場に再突入し、節目の110円が意識されやすいと見ています。

また、今年4月17日安値(108.11円)と6月14日安値(108.81円)を線で結んだ下値抵抗線(21日現在:109.30円前後)にも注目したいです。

IMM日本円のポジションも積みあがりすぎていることも気掛かりです。


■暴騰するユーロドルと2016年安値の接近中のドルインデックスにも注目!

緩和策解除に向け模索し始めたECBの行方にも左右されるところはありますが、相場は既に先取りし、2015年1月以来の1.16ドル台を記録しています。

テクニカル上では、完全に買い優勢であることは言うまでもありません。戻り高値がどこなのかをみていきたいと思います。週足ベース2014年5月高値(1.3995ドル)と2017年1月安値(1.0339ドル)に対する戻り

 23.6%…1.1195ドル(突破)
 38.2%…1.1730ドル
 50.0%…1.2163ドル
 61.8%…1.2596ドル
となっています。

38.2%はまもなくの状況となっています。ここを突破すれば、次のターゲット50.0%戻り、つまり1.20ドルも視野に入ることになります。更に、200週移動平均線(21日現在:1.18080ドル)も接近中なので、ここにも注目したいです。中期で買い目線になれば、ドル売りにも拍車が掛かりそうです。

また、下落が止まらないドルインデックスも2016年安値(91.88)にも接近、更に週足ベース200週移動平均線(21日現在:92.236)にも接近しているので、ここを割り込むようであれば、中期でドル売りになるのでドル円にも影響が出そうです。

最近のドル円は「ロシアゲート疑惑」、「トランプファミリー窮地」、「政権公約不実行」と政治リスクが日銀の異次元緩和策を上回る展開となっています。

トランプ大統領自身の支持率低下も止まらず、悪い流れが続いています。それ故に、北朝鮮に対する攻撃もいずれ出す可能性はあるとみています。現在の市場はリスクオンになっていますが、リスクオフの可能性も同時にあるのでポジション管理には気をつけたいです。
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想