ドル売り優勢も、“巻き戻しの急所”として機能しそう…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/07/24 10:41

◆ドル売り継続 - トランプ政権を巡る懸念にて

※ご注意:予想期間は7月25日と表示されていますが、本日(7月24日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


トランプ政権の先行きを巡る懸念は収まらず、ドル売りは続きました。
このため期待した“利益確定のユーロ売り⇒ドル買いを誘う”は不発に終わり、ユーロドルが2015年8月以来となる1.16ドル後半までさらに上値を拡大する中、ドル円は111円水準へと下落しています。

◆イメージとしては“さらなるドル売り・円買い”も懸念される…?

本日に入って111円を割り込んでいるなど、週が明けても“ドル売り圧力は減退していない”ことが窺えるところです。
もう一段下げると「110円の大台も見えてくる」状況だけに、さらなる“ドル売り・円買い”も懸念されるところではあります。

ただし今週は、FOMCに加えて、米GDP・速報値(28日)も予定される重要イベント週になります。
特に後者は“好内容が期待(事前予想は+2.5%)”されているだけに、買い戻しを誘ってもおかしくありません。
さらにトランプ・ジュニア(トランプ大統領の長男)の公聴会も延期(26日⇒?)されていることもあり、“ドル売り”強まっているものの、“リスク回避の円買い”が台頭しているわけではありません。

◆ただし雲下限が“巻き戻しの急所”として機能しそう…!?

テクニカル的に見ると、“日足・一目均衡表先行スパンの雲”に潜り込んできている格好といえます。
“上限(同111.249円)”を抜き返すまで楽観はできませんが、“下限(本日は110.754円)”付近はかなりの抵抗ラインとして機能しそうな雰囲気を醸し出しています。
このため売り方も「“突っ込み売り”というより、“戻り売り”に徹する」という可能性が高そうに思います。

“見方を曲げた直後”ですので“様子見が無難”といえますが、少なくとも“思惑的なドル売りは巻き戻される”と考えたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:111.925(200日移動平均線、大台)
上値4:111.792(ピボット1stレジスタンス)
上値3:111.681(100/50日移動平均線、7/20~7/21の61.8%戻し)
上値2:111.547(7/20~7/21の50%戻し)
上値1:111.249(日足・一目均衡表先行スパン上限)
前営業日終値:111.119
下値1:110.950(6/22安値、7/21安値、6/14~7/11の61.8%押し、大台)
下値2:110.782(6/19安値、日足・一目均衡表先行スパン下限、ピボット1stサポート)
下値3:110.646(6/16安値)
下値4:110.338(ピボット2ndサポート)
下値5:110.243(50週移動平均線)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

10:54 ドル円 抵抗・支持ライン追加
21:01 誤字修正
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想