NYダウ、日経平均ともに8月相場はパフォーマンスが悪い傾向があるので注意したい

著者:市原義明
投稿:2017/07/22 17:14

◆25日線割れよりも、13週線のサポートに注目したい場面か?

週明け24日の日経平均は、米国株安と円高が重しで続落の想定です。

週末の米国市場は、NYダウ、ナスダック指数ともに小幅下落になりました。NYダウは続落、ナスダック指数は11日ぶりの反落でした。

一方、為替市場はECBのドラギ総裁がユーロ高に対して何も語らなかったため、ユーロ高、ドル安が進み、対円でも1ドル=111円台前半までドル安、円高が進みました。

米国株安と円高を受けてシカゴ日経先物は-100円の19980円でしたから、週明けはCMEにサヤ寄せして2万円割れからスタート、日中は東京市場の為替次第になりそうです。

来週から決算発表が本格化するので、日経平均の動きよりも個別に関心が向かいそうですが、再び25日線と2万円の大台を割り込むと様子見姿勢につながりそうです。

ただし、日足チャートは25日線をはさんで2万円水準の往来が続いているので、あまり参考にならないのではないかと思われます。短期的な25日線ではなく、週足チャートの13週線を保てるかの方が注目されそうです。

今年3月末から4月にかけての調整局面では、昨年9月から上昇をサポートしていた13週線を割り込んで大幅な下落につながりました。

そして13週線を回復したのが4月末、そこから3ヶ月が経過して13週線が接近しています。

日柄的に3ヶ月の上昇期間になっていると考えると、いったんは調整してもおかしくありませんから、13週線を割れるようだと調整局面に入ったサインに捉えられるかもしれません。

また、決算発表の一巡にあわせて8月相場に入っていきます。リーマンショック後の安値である2009年から昨年までの8月相場を月足チャートで調べてみると、NYダウ、日経平均ともに5回が陰線、3回ある陽線も長いものがなく、パフォーマンスがよくない傾向が見られています。

先週は安川電機が好決算を受けて大幅上昇になりましたから、決算発表の結果で投資家心理が強気に傾き、8月に一段高してアベノミクス相場の高値を更新するような展開に期待できるかもしれません。

しかしながら、売買代金が低調で方向感のない小動きが続いているので、この動きに変化がなければ、過去の傾向のようにパフォーマンスの悪い8月相場になりそうな印象です。

大幅な調整にならずとも、決算一巡とお盆休みが重なるパフォーマンスが悪い8月相場であり、13週線を超えた上昇期間が3ヶ月経過したことを合わせて考えると、決算発表の反応を監視しながら、調整入りに警戒しておきたい場面だと思われます。
市原義明
株式会社ストックゲート 執行役員兼営業部長
配信元: 達人の予想