ドル/円、原油動向がカギに=外為どっとコム総研 神田卓也

ドル/円、原油動向がカギに

昨日のドル/円は、総じて小動きだった。一時111円台を割り込んだものの追随する動きは見られず111円台前半に小戻して取引を終えている。このところ下落が続いていた原油相場が反発した事で、ひとまずムードの悪化を回避した格好だ。もっとも、昨日のNY原油先物の上昇率は0.5％程度でしかない。

原油相場に底打ち感は乏しく、再び下落基調を強めるようなら、世界的な株安や長期金利低下を誘発し、ドル安・円高圧力がかかる公算が大きい。一方、原油相場が続伸となれば、金融市場全般に安心感が戻りそうだ。中でも米国債市場は、半期末最終週となる来週に総額880億ドルの国債入札を控えているため、需給面からは長期金利に上昇圧力がかかりやすい地合いだろう。原油相場の動向次第では日米金利差の拡大とともにドル高・円安に振れる可能性もある。