リスク選好に陰りは見えるが、“戻り売りではなく、押し目買い”…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/06/22 11:39

◆上下に揺れ動くも、方向感は定まらず…

※ご注意:予想期間は6月23日と表示されていますが、本日(6月22日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


“株高の連鎖ストップ”“原油は一段安”を引きずったドル円は、欧州タイムにかけて111円割れを窺う場面が見られました。
しかし“50日移動平均線(昨日は111.113円)”の抵抗もあり、111円を割り込むには至っておりません。

その後は「景気刺激策の一部を年後半に解除することが賢明」とのホールデン英中銀主席エコノミスト発言を機に“急落中のポンド円が上昇⇒つれてドル円も反発”となり、111円後半へ巻き戻されていきました。
もっとも“分水嶺(日足・一目均衡表先行スパン下限:同111.812円)”を突破しにかかるほどの勢いは見られず、NYタイム終盤には再び111.25円水準へと押し戻されるなど“上値の重さ”も相変わらずでした。

◆基本は“レンジ内での揺れ動き”、ただ“戻り売りではなく、押し目買い”…!?

“方向感が定まらない”というこうした動きを見るにつけ、本日も“111円台で揉みあい継続”と見るのが自然ということになってきそうな雰囲気があります。
それを裏付けるかのように“111.10-110.90円にドル買いオーダー”“111.60-90円にドル売りオーダー”が散見されており、上下をがっちりと抱え込んでいる節があります。

昨日も記したように“分水嶺に跳ね返された⇒利益確定売りが出やすい”は否めませんが、“日米金融当局の立ち位置の違いに変化なし⇒日米金利格差拡大観測は継続”は生きています。
つまり“レンジ内での揺れ動きが基本”ではあるものの、“戻り売りではなく、押し目買いは継続”、そして新たなリスク回避要因でも跳び出してこない限り“基調は上方向も変わらない”と考えます。

幾分、リスク選好姿勢に陰りが見えていますので、本日も“上値が重い”が先行するかもしれません。
また昨日は“50日移動平均線(本日は111.154円に展開)”を一時割り込む場面が見られましたので、場合によっては”“同ライン”さらには“111円ライン”を割る場面が見られるかもしれません。
それでも割れた水準には“200日移動平均線(同110.779円)”がどっしりと待ち構えています。

突っ込む場面があれば、“積極的に買い拾いも継続”と見たいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:111.957(5/25高値、大台)
上値4:111.838(5/26高値、6/20高値、日足・一目均衡表先行スパン下限、100日移動平均線)
上値3:111.726(6/21高値、20週移動平均線、ピボット1stレジスタンス)
上値2:111.545(6/21高値後の76.4%戻し)
上値1:111.435(6/21高値後の戻り高値、6/21高値後の61.8%戻し)
前営業日終値:111.363
下値1:111.154(50日移動平均線)
下値2:111.000(大台、6/21安値、ピボット1stサポート)
下値3:110.897(200週移動平均線)
下値4:110.782(6/19安値、200日移動平均線、ピボット2ndサポート)
下値5:110.646(6/16安値、6/14~6/20の38.2%押し、20日移動平均線)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

12:21 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想