“悲観論一色”に違和感…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/05/17 10:59

◆ユーロ買い⇒ドル売り - ユーロドル年初来高値更新、ドル円は100日移動平均線割れ

※ご注意:予想期間は5月18日と表示されていますが、本日(5月17日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


「トランプ大統領、ロシアに情報漏洩の疑惑(ワシントンポスト紙)」との報は、思った以上に尾を引きました。
米鉱工業生産は2014年2月以来最高(+1.0%)を記録したものの、住宅関連の米経済指標が悪化したこともドル売りを後押ししたと見られます。
ECB理事会への期待感(出口戦略への思惑)を背景にユーロドルが年初来高値を更新したこともドル売りを誘った印象があります。
昨日段階で113円ラインを割り込むと、本日に入って“100日移動平均線(本日は112.883円)”をも割り込んできています。

◆“ドル売り一服”の見極めは難しいが…?

現在は“政局悲観論の後退+出口戦略への思惑”が“米利上げ観測”を上回っており、ユーロドルでドル売りが促されやすくなっている印象があります。
これがドル円の“大きな重荷”となっているわけですが、しかし“米利上げ観測”が大きく崩れたわけではありません。
ユーロドルの上昇圧力が強いだけに“ドル売り一服”を見極めは難しい面がありますが、それでも“悲観論一色”になっている現状には違和感を覚えるところです。

◆“ドル売り一服”の見極めは難しいが…?

現在は“政局悲観論の後退+出口戦略への思惑”が“米利上げ観測”を上回っており、ユーロドルでドル売りが促されやすくなっている印象があります。
これがドル円の“大きな重荷”となっているわけですが、しかし“米利上げ観測”が大きく崩れたわけではありません。
ユーロドルの上昇圧力が強いだけに“ドル売り一服”を見極めは難しい面がありますが、それでも“悲観論一色”になっている現状には違和感を覚えるところです。

◆ただ113円割れは“本来、押し目買いと見られた水準”

前記“100日移動平均線”を割り込んだことで、テクニカル的には“日足・一目均衡表先行スパン下限(同112.240円)”まで下落余地が広がった格好というべきかもしれません。
それでも113円割れは「本来、押し目買いと見られた水準」でもあります。
“基調が変わったわけではない”以上、“割り込んだ際のストップロス”は想定しつつも、“ポジション調整の範囲内”“戻り売りではなく、押し目買い”は維持したいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:113.950(5/12高値、5/11~5/12の61.8%戻し、大台)
上値4:113.843(5/15高値)
上値3:113.765(5/16高値)
上値2:113.598(ピボット1stレジスタンス)
上値1:113.224(日足・一目均衡表転換線、100週移動平均線)
前営業日終値:113.095
下値1:112.926(5/16安値、5/5~5/10の61.8%押し水準、100日移動平均線)
下値2:112.753(20週移動平均線、ピボット1stサポート)
下値3:112.531(4/25《4/24の窓上限》~5/10の38.2%押し)
下値4:112.395(5/8安値、ピボット2ndサポート)
下値5:112.240(日足・一目均衡表先行スパン上限)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:26 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想