「動きづらい」が基本も、昨日は「111円割れがない4月唯一の一日」

著者:武市佳史
投稿:2017/04/28 11:14

◆高値から値を消すも、111円ラインは割り込まず…

※ご注意:予想期間は4月29日と表示されていますが、本日(4月28日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


日銀&ECBは共に「現状維持」となり、そしてどちらも「出口戦略議論は時期尚早」とされました。
無風通過は“緩和策は当面続く”との思惑を誘い、ドル円を後押ししました。
残存する“円買いポジションの巻き戻し”とも相俟って、ドル円は111.60円水準へと値を戻していきました。

一方で、昨日発表の米経済指標は弱め(耐久財受注・除輸送機器が-0.2%、新規失業保険申請件数が25.7万件)となり、そのまま上値を窺い続けることはありませんでした。
原油反落も重荷となり、再び111円ライン付近へと値を落としています。
ただ111円ラインを割り込むには至らず、その後は111円前半での揉みあいに終始しています。

◆「動きづらい」が基本的も、昨日は「111円割れがない4月唯一の一日」

“GW前の週末・月末”、さらに“5・10日”にも重なる本日は、「動きづらいが基本」と見られます。
政府機関が一部閉鎖へ追い込まれる可能性を秘めた“米2017年度暫定予算”、低い伸びが予想される“米1-3月期GDP速報値”、さらには燻り続ける“北朝鮮情勢”等を考えると、「より上値が重い」が先行しそうな雰囲気さえ感じられるところです。

ただし昨日は「111円割れが見られなかった4月唯一の一日」となっており、この流れを引き継げば“円買いポジションの巻き戻し残存”の中では“大きなセンチメント改善”につながる可能性が指摘されるところです。

オーダー状況を見ると、“111.10-110.90円にドル買いオーダー”“111.40-60円にドル売りオーダー”が共に厚く、しっかりと挟まれています。
「動きづらい」を基本とし、「上値が重い」も意識しながらになりますが、「基調はしっかり」「戻り売りではなく押し目買い」で臨みたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:112.000(大台、20月移動平均線)
上値4:111.812(3/10~4/17の50%戻し、4/26高値、週足・一目均衡表転換線、ピボット2ndレジスタンス)
上値3:111.744(50日移動平均線)
上値2:111.595(4/27高値、ピボット1stレジスタンス)
上値1:111.314(週足・一目均衡表先行スパン上限)
前営業日終値:111.238
下値1:111.007(4/27安値、大台、ピボット1stサポート)
下値2:110.860(4/26安値)
下値3:110.670(4/21~4/26の38.2%押し、ピボット2ndサポート)
下値4:110.392(200週移動平均線、4/21~4/26の50%押し、4/17~4/26の38.2%押し、ピボットローブレイクアウト)
下値5:110.166(日足・一目均衡表基準線)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:35 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想