“リスク選好一辺倒”にはなりづらいが、“大きく流れが変化する可能性”は十分…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/04/24 10:32

◆週末は小動きに終始 - リスクイベント控え

※ご注意:予想期間は4月25日と表示されていますが、本日(4月24日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


前日の急反発の後押しがあったものの、先週末は積極的に高値を付いていくことはありませんでした。
仏大統領選・第1回投票等のリスク回避要因が重荷となり、上値が押さえられたからです。
一方で109.00円割れ水準ではすぐさまドル買いが入るなど、リスク回避姿勢に寄ることもありませんでした。

◆週明けは大きく上方向に“窓空けスタート”

こうしてイベント前の膠着で先週末の取引を終えたドル円ですが、週明けの本日は上方向に大きく窓を空けて始まっています。

注目の仏大統領選・第1回投票では、ご承知のように“マクロン候補(中道)/ルペン候補(極右)”が決選投票(5/7)に進みました。
“下馬評通り”の結果であり、また両氏の得票率が“世論調査に似通った水準”で落ち着いたこともあって、「決選投票ではマクロン候補が圧勝」という“世論調査に近い結果になる”との安心感(期待感)が買い戻しの背景にあると見られます。

◆“リスク選好一辺倒”にはなりづらいが、“大きく流れが変わる可能性”は十分…?

“地政学的リスク(北朝鮮軍創建85周年記念日:25日)”が燻り続けていますので、“リスク選好一辺倒”になりづらく、事実、窓空け後は“ジリジリと上値を削って”もいます。
それでも非常に大きなリスク(仏大統領選)が“実質クリア”となったことで、“大きく流れが変わる可能性”は否めないところです。

◆スタイルとしては「押し目買い」

大きく窓を空けた直後ですので“オーダー状況から探るのは困難”といわざるを得ませんが、テクニカル的には“110.00円前後”“4/21安値後の38.2%押し(109.752円)”“同50%押し(109.585円)”“窓埋め(4/21高値:109.420円)”ではドル買いが入りやすいと見られます。
割り込むと“元いた水準へ往って来い”ということになるのでしょうが、“200日移動平均線を跨ぐ往来から上放れ”したばかりでもあります。

目先「さらなる上値追いは難しい」といわざるを得ませんが、スタイルとしては「押し目買い」で臨みたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

注:大きな窓空けスタートとなっておりますので、基準値を変更して記しております。

上値5:111.314(週足・一目均衡表先行スパン上限)
上値4:110.943(3/10~4/17の38.2%戻し、大台)
上値3:110.877(4/11高値)
上値2:110.510(日足・一目均衡表基準線)
上値1:110.386(200週移動平均線)
 基準値(本日始値):110.235円
下値1:110.000(大台、20日移動平均線、週足・一目均衡表基準線)
下値2:109.781(4/17~現時点の高値《110.290円》の38.2%押し、4/21安値後の38.2%押し)
下値3:109.585(4/21安値後の50%押し)
下値4:109.420(4/21高値《窓埋め》、4/21安値後の61.8%押し)
下値5:109.211(4/17~現時点の高値《110.290円》の50%押し、日足・一目均衡表転換線)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

10:52 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想