米税制改革への期待を維持できるか=外為どっとコム総研 神田卓也

著者:神田卓也
投稿:2017/03/27 09:53

米税制改革への期待を維持できるか

24日のドル/円は、オバマケア代替法案をめぐる米下院議会の動きに振り回される展開であった。法案可決への期待から111.40円台までドル買い・円売りが先行したが、共和党指導部が同法案への十分な支持を集められなかったとして採決を断念すると110.60円台へと反落。しかし、同法案の撤回によってトランプ政権が医療保険改革から(市場の期待が高い)税制改革に軸足を移すとの見方が浮上すると111.30円台へ反発した。

もっとも、終盤の反発には前日まで8営業日連続で下落していた反動という要素が強かったと見られ、今朝は110.50円台まで再び下落している。今後の市場において、トランプ大統領のもうひとつの目玉公約である税制改革への取組みについても割り引いて考える必要があるとの見方が強まるようなら、ドルを一段と圧迫する可能性が高い。法人税引き下げを中心とする景気刺激策への期待を背景に大きく上昇してきた米国株の動きが最大の焦点となろう。
神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長
配信元: 達人の予想