“決め打ち”禁物も、“期待は募る”局面…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/03/01 10:26

◆一時レンジ下限を窺うも、急反発…

※ご注意:予想期間は3月2日と表示されていますが、本日(3月1日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


イベント前の“動きづらさ”はどこへやら…。
終わってみれば元いた水準も、下へ、上へと、動く動く…。

“前日のドル上昇分を調整する動き”+“月末要因のヘッジ売り”を背景にして、ドル円は再び112円を割り込みました。
“2/24-27安値”をも割り込んだことから「レンジ下限(2/6-8安値:111.586円)割れを窺うか…?」とも思われましたが、“3月利上げ観測”が流れを変えました。

 「利上げの根拠は増している(ダドリーNY連銀総裁)」
 「3月利上げを真剣に検討(ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁)」
 「今3回の利上げが妥当(ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁)」

相次ぐ“タカ派寄り発言”はドルを押し戻し、NYタイム終盤には“112円後半への往って来い”、そして本日東京タイムに入ってからは“113円台回復”を演じています。

◆“失望”の危険も孕んでいるが、ファンダメンタルズ/テクニカル共に“期待が募る”局面…!?

こうして“3月利上げ観測”が再燃する中、本日は“トランプ大統領議会演説(日本時間11:00~)”を迎えます。

昨日も記したように、“インフラ投資”への期待が高まっているのに対して、“減税策”への期待は後退しています(“財政支出”に関しては、ほぼ中立)。
このため“税制へのサプライズ不在”は昨日の段階で織り込まれた可能性がある中、“減税への具体策”が語られるようなことがあると“サプライズ的なドル買い”が発生する可能性があると考えます。
もちろん“なければ失望”となる危険も孕んでいますが、冒頭で記した“3月利上げ観測”が支える可能性が残ります。

テクニカル的には、一旦割り込んだ“100日移動平均線(本日は111.861円)”を抜き返し、“20日移動平均線(同112.982円)”を越してきています。
“113.00‐30円水準に分厚いドル売りオーダー”が並んでいるものの、背中合わせには“ストップロスのドル買いオーダー”も散見されています。

“結果次第”ということになりますので“決め打ち”はできませんが、“期待が大きく膨らむ局面”といえそうです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

注:トランプ議会演説にて急変動が想定されるため、普段より値幅を拡大しています。

115.000(大台、2/15高値)
114.814(日足・一目均衡表先行スパン上限)
114.426(50日移動平均線)
114.301(2/16高値、ピボットハイブレイクアウト)
114.195(100週移動平均線)
114.000(大台)
113.774(2/21-22高値、2/15~2/28の61.8%戻し)
上値5:113.606(ピボット2ndレジスタンス)
上値4:113.455(2/23高値、日足・一目均衡表基準線)
上値3:113.321(2/15~2/28の50%戻し)
上値2:113.160(ピボット1stレジスタンス)
上値1:112.949(2/24高値、20日移動平均線、2/15~2/28の38.2%戻し、大台)
前営業日終値:112.713
下値1:112.420(20週移動平均線、2/28の38.2%押し)
下値2:112.287(2/28の50%押し)
下値3:112.149(2/28の61.8%押し)
下値4:112.000(大台、ピボット1stサポート)
下値5:111.814(日足・一目均衡表先行スパン下限、100日移動平均線)
111.699(2/28安値)
111.586(2/6-8安値)
111.351(16/11/28安値、週足・一目均衡表先行スパン上限)
111.152(ピボット2ndサポート)
111.000(大台)
110.856(16/11/23安値、ピボットローブレイクアウト)
110.254(16/11/22安値)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

10:45 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想