“下落リスク”は後退 - ただ本日は“動きづらい”…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/02/28 11:23

◆様子見ムード漂う中、トランプ期待が再燃 - ドル円反発

※ご注意:予想期間は3月1日と表示されていますが、本日(2月28日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


“リスク回避的な動き”が先行する場面も見られたものの、トランプ大統領議会演説を控えて様子見ムードが漂う一日でした。
突っ込んだドル売りには警戒感もあって、先週末から見られた“ドル売り・円買い”は一応落ち着いた印象があります。
その上で昨日は“インフラ投資拡大”への思惑が台頭し、ドルは大きく買い戻されました。

トランプ大統領は「“巨額(Big)な”インフラ投資を表明」と発言し、いわゆる“トランプ期待が再燃”したからです。
またカプラン・ダラス連銀総裁の「遅くでなく、すぐに利上げすべき」発言も、“3月利上げ観測⇒ドル買い戻し”につながった印象があります。
米10年国債利回りは2.36%後半へと上昇、NYダウは12日連続の史上最高値更新を見せる中、ドル円は112円後半へと巻き戻されていきました。

◆ただし“期待感一辺倒”は想像しづらい…?

“巨額(Big)な”と発言したことから、インフラ投資に関しては“強い意欲”を示すと見られます。
しかし期待された減税策が跳び出す可能性は後退しつつあり、財政支出にしても“景気刺激としては物足りない”との印象が否めません。

“3月利上げの可能性(織り込み度)”にしても、上がっているのは事実ですが、過去の例から見た“利上げ実施ライン(70%超)には遠く及ばない”のが実状です。
今後の発言次第でさらに上昇する可能性は残りますが、FOMC前の金融政策発言自粛(いわゆるブラックアウト期間)が拡大されています(今回は3/4~)。
織り込むには“時間が足りない”と見るのが自然であり、“期待感一辺倒”となる展開は想像しづらいところです。

◆あくまでも“結果次第” - 本日は膠着/揺れ動き…!?

売り込まれた後だけに“仕掛け的なドル買い”が入らないとも限りませんが、113円ラインには“20日移動平均線(本日は112.977円)”“日足・一目均衡表転換線(同113.108円)”も控えています。
“トランプラリー再開”への期待が募るところはありますが、あくまでそれは“結果次第”…。
“大きく売り込まれる”はかなり後退した印象がありますが、“演説(日本時間1日11:00~)までは動きづらい”“本日は112円半ば~113円ラインの揺れ動き”と見るべきか…?

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:113.774(2/21-22高値、2/15~2/27の61.8%戻し)
上値4:113.455(2/23高値、2/15~2/27の50%戻し、日足・一目均衡表基準線、ピボット2ndレジスタンス)
上値3:113.334(2/21~2/27の76.4%戻し)
上値2:113.073(2/15~2/27の38.2%戻し、2/21~2/27の61.8%戻し、日足・一目均衡表転換線、ピボット1stレジスタンス)
上値1:112.949(2/24高値、20日移動平均線、大台)
前営業日終値:112.716
下値1:112.383(20週移動平均線、2/27安値後の50%押し)
下値2:112.268(2/27安値後の61.8%押し)
下値3:112.142(ピボット1stサポート)
下値4:111.916(2/24-27安値、大台)
下値5:111.814(日足・一目均衡表先行スパン下限)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:40 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想