再び下値を意識するには“新たなネガティブ”が必要…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/01/25 10:55

◆やはりオーバーシュート…? - 材料難の中、ドル買い戻し

※ご注意:予想期間は1月26日と表示されていますが、本日(1月25日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


目立った材料に欠ける中、昨日はNYダウが反発、米10年債利回りも上昇(債券価格は下落)に転じました。
このため前日の動きが巻き戻され、ドル円は114円手前へと押し戻されました。

トランプ新政権を巡る思惑は“期待感/不安感”が交錯していますので、“方向感が定まりづらい”状況は変わっておりません。
前日の「過度のドル高は短期的にマイナス(ムニューチン米次期財務長官発言)」にしても、先週の「強いドルは長期的に重要」との齟齬は特にありません。
それでいて“保護主義=ドル安”のみを囃して下落した前日の動きは、やはり“オーバーシュート”といわざるを得ないところです。

◆“さらなる上値模索”は早計も、下値を意識するには“新たなネガティブ”が必要…?

もちろん“方向感が定まりづらい”は上方向に関しても同様ですので、“さらなる上値模索”を期待するのはいささか早計かもしれません。
テクニカル的にも“日足・一目均衡表転換線(本日は114.070円)”“同先行スパン上限(114.551円)”が圧し掛かっており、“戻り売り機運”に押し戻される場面もあるかもしれません。

それでも“ドル安・円高は一服”しており、これを好感して“株高の連鎖”が続く可能性は残ります。
そしてそうなれば、“リスク回避姿勢には傾斜しづらく”“しっかりした値動き”も期待できることになります。

“トランプラリー再開”を囃すには時期早々であり、もしかしたら無理をする局面ではないかもしれませんが、再び下値を意識し始めるには“新たなネガティブ要因が必要”…?
“さらなる上値追い”は手控えつつ、“押す局面があれば買い拾う”を継続したいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:114.551(日足・一目均衡表先行スパン上限)
上値4:114.460(1/23高値、1/19~1/24の61.8%戻し)
上値3:114.283(ピボット1stレジスタンス)
上値2:114.069(1/19~1/24の50%戻し、日足・一目均衡表転換線、大台)
上値1:113.888(1/24高値)
前営業日終値:113.799
下値1:113.434(1/24安値後の38.2%押し)
下値2:113.263(1/24安値後の50%押し)
下値3:113.092(1/24安値後の61.8%押し、大台)
下値4:112.921(ピボット1stサポート)
下値5:112.526(1/24安値、1/18安値)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:14 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想