一般教書演説や予算教書は未だ先。112.50円を終値で割り込むと、チャートは更に崩れる可能性 トレードタイム

著者:平野朋之
投稿:2017/01/24 11:33

トランプ政権下では・・・、「要人発言」は特に注意が必要

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■昨日は、就任式終了と週明けで落ち着きが取り戻すことが予想されたものの、今後の通商政策を打ち出したことが、リスク回避の流れを引き寄せました。

更に、今朝ムニューチン次期米財務長官の書簡で「ドル高けん制」と言及していることも、上値を重くしています。


■さて、新政権がスタートしたものの新鮮味のない就任演説でトランプラリーが不発となっている今週、いよいよ「トランプリスク」が意識されそうです。

大統領選挙中に話していた「TPP離脱・NAFTA再交渉・高関税」が現実に始まり、あの話は選挙に勝つためのパフォーマンスでなかったと考えされられそうです・・・。

ある意味での有限実行であることは評価できるものの、やはり保護主義色が日増しに強め、貿易不均衡を是正する動きは急加速する可能性があります。


■その代表的なのが、「中国・日本・メキシコ」です。特に人民元に対しては「ドルは強すぎる」と示唆していることからも日本への影響も少なくないとみています。

トランプ新政権の土台が保護主義となるため、市場としても徐々に「ドル安」を意識し始めてきています。この状況からも今後は、トランプ発言は全て「リスクオフ」を助長する恐れがあります。

これまで大統領選以降、トランプノミクス期待から一方的にドル高が演出されました。
しかし、そのドルも上値が重くなり調整局面に入る可能性がでてきました。

ドルインデックスチャートでは、移動平均50日線を完全に割り込み売り優勢の展開です。更に、75日線(23日現在:100.35)も割り込み中期的にも戻り売り優勢になっています。


■一方、ドル円も先週のトランプ大統領の記者会見で一度、移動平均50日線を割り込んだものの、その翌日には再度切り返す強さがありました。
しかし、115円の大台を引け値ベースでクリアできなかったこと、ドル高けん制発言が重なり、直近安値の112.50円に接近。

仮に、ここが割れれば、75日線(23日現在:111.27円)が意識されやすくなります。

その他にも、ドルストレートに対しても売りが優勢となっています。ポンドドルやユーロドルそれぞれが中期抵抗と意識されてきた移動平均75日線を引け値ベースでクリアしていることでドル円にも影響しています。


■最後に、本日のドル円です。

本日は売りベースに戻りとブレイクを考えています。

戻り売り(指値)
113.00円

ブレクダウン(逆指値)
112.50円


■トランプラリーはまだ終わったとみていませんが、一般教書演説や予算教書まで時間がまだあります。
期待して押し目買いを推奨したくなりますが、週足のトレンドも変わりつつある状況ですので、トレンドに沿ったトレードが必要だと思います。
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想