“記者会見” ではなく“演説”なのがポイント…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/01/20 11:44

◆ドル買い継続 - ただし方向感定まらず“往って来い”

※ご注意:予想期間は1月21日と表示されていますが、本日(1月20日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


ドル買いの流れは続きましたが、結局は“往って来い”の展開でした。

ムニューチン米財務長官候補は「強いドルは長期的に重要」と述べ、「ドルは強過ぎる」というトランプ発言の“火消し”に回りました。
「緩和策縮小は議論しなかった」「景気見通しリスクは依然下向き」というドラギECB総裁発言で、“ユーロ売り⇒ドル買い”となる場面も見られました。
しかしながらメインイベント(トランプ米大統領就任式)を控えて方向感は定まらず、結局はポジション調整の思惑が上値を押さえました。
“心理的な節目(115円)”を突破、一時は115.613円へと上値を伸ばしたドル円でしたが、114円後半に押し戻されて昨日の取引を終えています。

◆“記者会見”ではなく“演説”なのがポイント…!?

こうした中、本日の注目は何といっても“トランプ米大統領就任式”ということになります。

“アメリカ・ファースト”を掲げているだけに、“TPP離脱”等と共に“ドル高けん制”への懸念は拭えません。
これがドルの上値を押さえると見られ、重く圧し掛かっています。
一方で大統領選直後の勝利演説が“優等生的なスピーチ”だったのも事実であり、そして本日は前回の“記者会見” ではなく“演説”です。
再び“優等生的なスピーチ”を行ったとしても、何ら不思議ではありません。

◆いずれにしても“大きく動意づく”は疑いの余地なし?

テクニカル的には“20日移動平均線(本日は115.865円)”“1/18~1/19の61.8%押し(113.731円)”をいずれに越えてくるかがポイントと見られます。
前者なら“120円に向けた一段高”が期待され、逆に後者なら“再び分水嶺(11/9~12/15の38.2%押し:111.986円)割れ”が懸念されることになるからです。
後は結果次第ということになりますが、“大きく動意づく”に関しては疑いようがありません。

演説までは“思惑交錯で揺れ動き”、演説後も“解釈次第で乱高下”との可能性が否めず、“決め打ちは厳禁”ではありますが、期待は募るばかりです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

注:トランプ大統領就任演説における急変動の可能性を勘案し、いつもより拡大しています。

118.658(12/15高値、1/3高値)
118.168(1/4高値)
117.527(1/9高値)
116.860(1/11高値)
116.729(ピボットハイブレイクアウト)
上値5:116.331(12/15~1/18の61.8%戻し)
上値4:116.171(ピボット2ndレジスタンス)
上値3:115.864(20日移動平均線)
上値2:115.613(1/19高値、12/15~1/18の50%戻し水準、日足・一目均衡表基準線、ピボット1stレジスタンス)
上値1:115.255(1/19高値後の61.8%戻し)
前営業日終値:114.843
下値1:114.449(1/18~1/19の38.2%押し、1/19安値、50日移動平均線)
下値2:114.285(ピボット1stサポート)
下値3:114.090(1/18~1/19の50%押し、大台)
下値4:113.731(1/18~1/19の61.8%押し、日足・一目均衡表先行スパン上限、ピボット2ndサポート)
下値5:113.285(1/18~1/19の76.4%押し)
113.063(ピボットローブレイクアウト、大台)
112.566(1/18安値)
111.986(11/9~12/15の38.2%押し、11/30安値、週足・一目均衡表先行スパン上限、大台)
111.628(11/29安値)
111.351(11/28安値)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:52 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想