ムード一変も、メインイベント直前 - 無理する局面ではない…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/01/19 11:12

◆ムード一変、ドルは急反発 - イエレン発言

※ご注意:予想期間は1月20日と表示されていますが、本日(1月19日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


“派手”な下落を見せてきたドル円は、戻りまで“派手”でした。

前日のメイ英首相発言をキッカケに“リスク回避姿勢”は後退、“株安の連鎖”も止まる中、イエレン発言が“ドル売りムードを一変”させたからです。

 「2つの責務目標(雇用最大化・インフレ率2%)に接近」
 「2019年にかけて、年2-3回ペースで引き上げる」
 「2019年にかけて、金利水準は3%に近づく」

“米消費者物価指数”が2014年6月来最高(+2.1%)を記録、「労働環境の逼迫&物価上昇の高まり」を指摘した“米地区連銀経済報告《ベージュブック》”も追い風となり、“米金利先高観”は再燃しました。
前日に一時2.30%台へと低下していた米10年債利回りは一気に2.43%へと反発し、つれてドル円も114.756円へ買い戻されていきました。

◆“押し目買い”に回帰した可能性大、ただしメインイベント前…

こうして“分水嶺(11/9~12/15の38.2%押し:111.986円)割れ”から、“心理的な節目(115円)回復”へと窺う水準を一変させたドル円。
ドル売り一辺倒の様相だったことを考えると、その反動はかなり大きいと見るのが自然です。
“50日移動平均線(本日は114.303円)”を上に抜き返したことも、ドル売り圧力の後退を窺わせるものです。

ただ今週のメインは、あくまで“トランプ大統領就任式(20日)”です。
このため積極的なポジショニングは手控えられる可能性は残ります。
さらに起爆剤となったイエレン発言にしても、“サプライズ感”を問われると“???”といわざるを得ません。
“心理的な節目(115円)”には、“日足・一目均衡表転換線(同115.047円)”も重なっています。

“115円ラインに突っかかる展開”への期待は募りますが、無理をする局面ではないのかもしれません。
それでも“雰囲気が一変したのは事実”ですので、少なくとも“戻り売りではなく押し目買い”機運に回帰したと考えたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:115.612(12/15~1/18の50%戻し、日足・一目均衡表基準線)
上値4:115.495(1/12-13高値)
上値3:115.413(ピボット1stレジスタンス)
上値2:115.047(日足・一目均衡表転換線、大台)
上値1:114.893(12/15~1/18の38.2%戻し)
前営業日終値:114.646
下値1:114.304(50日移動平均線、1/18安値後の23.6%押し)
下値2:114.003(1/18安値後の38.2%押し、大台)
下値3:113.729(1/18安値後の50%押し)
下値4:113.455(1/18安値後の61.8%押し)
下値5:113.115(1/18安値後の76.4%押し)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:26 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想