現状50日線水準で買い意欲はあるが、ここを割り込むを112円台も視野に  トレードタイム

著者:平野朋之
投稿:2017/01/17 11:31

本日の欧州タイムは注意が必要


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■昨日は、EU離脱を巡って「ハードブレクジット」の方針を表明する報道が飛び込み、ポンド売りを中心にリスク回避が強まる場面から、円買い優勢の展開となりました。
一時、113.70円まで買われる場面もありましたが、NY市場では、キング牧師の誕生日で商いが閑散となり、114円前半で終了しました。


■トランプ次期大統領の就任演説を待たずに、ドル円相場がジリジリ下値を探る展開が続いています。特に、本日のメイ英首相のハードブレクジットの方針表明が濃厚なことも、上値を重くするどころか急落する可能性もあるので注意したいところです。

昨年からの流れを振り返ると、「国民投票」による大衆迎合主義が、新しい経済を作りつつあります。これは、英国を筆頭に米国、イタリアやオーストリアとさまざまな先進諸国が21世紀を変えようとしています。
今までの流れを変えようとするとき、必ずといっていいほど「悪い膿」を出さなければ良くはなりません。経済や政治、そして相場もそのことがいえます。

少なくても、ハードブレクジットを表明する英国は、ポンドが売られたことで、その膿が出てきている状況です。


■本日も予定されている「メイ首相の講演」ですが、既に講演内容は公表され、アジアタイムでは落ち着いていますが、それでも講演時は乱高下をする可能性があります。
ポンドは一度動いたら、止まらない通貨なので注意が必要です。

また、リスクオフになると円が買われる動きが昨年の動きでしたので、ドル円を見る上では、ドルだけの要因以外にも「円買い要因」にも気を払う必要もあります。


■最後にドル円です。

日足ベースでは6日連続陰線、これは昨年のブレクジットのあとの下落相場でつけたとき以来です(2016年7月1日~8日)。

また、テクニカル的には118円ミドルでダブルトップを形成して、上値が重くなっているのがわかります。
しかし、移動平均50日線(17日現在:113.53円)が何とかサポートされている状態です。

この水準を下回るようであれば、112円は割りとあっさり下落するのではないかと見ています。

「戻り売り」をベースに戻りと「ブレイクダウン」で待ち構えたいと考えています。

・戻り売り(指値)
114.50円

・ブレイクダウン(逆指値)
113.50円
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想