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円高警戒で軟調推移、2カ月ぶり25日線割割り込む

明日の株式相場見通し

 13日の東京株式市場は、外国為替市場での円高・ドル安進行への警戒感に加え、週末に伴うポジション調整の売りも想定されることから、日経平均株価は軟調な推移となりそうだ。

 トランプ次期米大統領が現地11日の記者会見で具体的な経済対策に言及しなかったことに失望感が広がり、米長期金利が低下した。これを受け外国為替市場では、一時1ドル=114円台前半へと円高・ドル安が進行、これを嫌気して日経平均株価は大幅安となった。

 市場関係者からは「日経平均株価は12日終値で、25日移動平均線(1万9192円)を下回った。25日線を割り込んだのは、米大統領選の結果が判明した16年11月9日以来約2カ月ぶりのことで、目先的には調整局面となる可能性もある」との見方が出ていた。

 12日の東京株式市場は、円高進行を受け主力株中心に売りが優勢となり、日経平均株価は一時300円近い下げをみせる場面もあった。終値は、前日比229円97銭安の1万9134円70銭と大幅反落した。

 日程面では、日銀の生活意識に関するアンケート調査、12月のマネーストックに注目。
海外では、米12月の小売売上高、米12月の卸売物価指数、、中国12月の貿易統計が焦点になる。

<動意株>=テリロジー、コスモエネHD、トランザクションなど

 テリロジー<3356>=後場に入って急伸。
トランプ次期米大統領が11日に行った会見で、大統領選を狙ったサイバー攻撃についてロシアの関与を認めたことを受け、サイバーセキュリティー関連株を物色する動きが波及しているもよう。なお、直近では昨年11月16日に、イスラエルの元軍関係者が設立したスレットインテリジェンス(脅威情報)のエキスパート集団であるKELA社と販売代理店契約を結んだと発表している。

 コスモエネルギーホールディングス<5021>=大幅続伸し昨年来高値更新。
前日のWTI原油価格の上昇に加えて、大和証券が11日付で投資判断を「3」から「2」とし、目標株価を1210円から2000円へ引き上げたことが好材料視されている。同証券では、石油開発事業はヘイル油田の生産開始と油価上昇の貢献を想定する一方、石油事業は千葉製油所ロングランと精製マージン改善の寄与を予想しており、18年3月期は石油開発事業と石油事業において、個社要因と外部環境の両方が増益に寄与すると予想。

 トランザクション<7818>=後場急伸。
同社はこの日正午ごろ、2月28日を基準日とする1対2株の株式分割と、株主優待制度の拡充を発表しており、これを好材料視した買いが入っている。株主優待制度の拡充では、従来、毎年2月28日時点で2単元(200株)以上保有の株主を対象に、同社製品群の中から1セット3000円相当の製品を分割前200株以上1000株未満で1セット、同1000株以上2000株未満で2セット、同2000株以上で3セット贈呈していたが、これを1単元(100株)以上保有の株主を対象に、1セット2000円相当の製品を分割前100株以上500株未満の保有で1セット、同500株以上1000株未満の保有で2セット、同1000株以上で3セットをそれぞれ贈呈するとしている。

 ANAP<3189>=ストップ高で昨年来高値更新。
同社は11日取引終了後に、17年8月期第1四半期(16年9~11月)の単独決算を発表。経常損益は3300万円の黒字(前年同期は4100万円の赤字)となり、上半期計画(4900万円の赤字)を大きく超過した。売上高は15億7100万円(前年同期比6.3%減)となった。前年度末から5店舗を退店した影響で店舗販売事業の売り上げが減少した一方、主力であるインターネット販売事業の売り上げは堅調に推移。利益面では、前期以前から実施している不採算店舗の退店効果で店舗経費が圧縮されたことなどが寄与した。なお、上半期および通期の業績予想は従来計画を据え置いている。

 アズジェント<4288>=堅調。
同社は11日、昨年11月から取り扱っている自動・自立型セキュリティー製品「Carwall」および「IoTwall」の開発元であるカランバセキュリティ社(イスラエル)が、車両開発や試験設備を開発するエフ・イー・ヴイ社(ドイツ)と共同で、自動運転車をハッキングから防御するためのデモンストレーションを世界最大の家電見本市である「CES」で行ったことを明らかにした。

 ユビテック<6662>=大幅反発。
きょう付の日経産業新聞で「『IoT』を活用した工場の稼働効率改善サービスを始める」と報じられており、業績への貢献を期待した買いが入っているようだ。記事によると、自社で開発したIoTシステムを使って工場設備の稼働状況などの情報を集め、故障が起きる要因を分析するという。月内にも販売を開始し、大手のIoTシステムよりも価格を抑えることで差別化を図るとしている。

※未確認情報が含まれる場合があります。株式の売買は自己責任に基づいて、ご自身でご判断ください。

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冨田康夫 (とみたやすお)

株経ONLINE:編集長