中期調整局面入り前の「115円割れ」が重要な抵抗水準に トレードタイム

著者:平野朋之
投稿:2017/01/10 11:37

■明日のトランプ氏会見も重要


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■昨日は、欧米株安や長期金利低下、そして原油価格急落によって、リスク回避の円買いが優勢の一日となりました。
また、ボストン連銀総裁発言もハト派的となったことを受けてドル売りが優勢となっています。

■さて、今週のポイントは、明日11日のトランプ大統領の記者会見です。これまでのトランプラリーにこめられた期待通りのものになるのか?
そのギャップが試されることになると思います。

既に市場では、財政が大幅に拡張し、インフレを想定しての動きになっているので、そのギャップがどの程度あるのかが注目です。
大規模なインフラ投資を行うにも、長期金利の低位安定が必要不可欠であり、現在のボラティリティが高い状態をトランプ政権は好んでいないとみています・・・。


■また、それ以外にメイ英首相がハードブレクジットを示唆したこともリスク回避につながる環境を作っています。
更に原油価格においても、50ドルの大台はキープしているものの日増しにボラティリティが高まりつつあり、高値警戒感が出始めています。
原油価格下落から株売りに転じる可能性もあり、昨年同様に動きも視野に入れる必要がありそうです。


特に、ドル円の日足チャートは118円ミドルでダブルトップを形成しているので、大きな調整局面に入っても不思議ではなく、その手前の115円は重要な抵抗になりそうなので、この水準を意識する必要もあります。


■最後に本日のドル円です。

日足チャートを見ると、先週末までのチャートなら再度、118円も視野に入れてもよさそうでした。
しかし、昨日の上髭大陰線をみると、今までのように単なる押し目買いというわけには行かなくなったイメージです。
その意味では、やはり115円に逆指値の売りを入れて対応したいと考えています。

また、ユーロドルもこれまでパリティ(1ユーロ=1ドル)を意識した動きになっていましたが、14年ぶりの安値を出してからは、1.03ドル台の値固めに入りだし、上値が軽くなりだしています。
更にユーロ圏のインフレ上昇も見え始め、テーパリングも視野に入りそうです。その意味ではユーロ買いドル売りもドル円の下落を誘うのではないかとみています。
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想